豪 地熱発電「原発10基分」 タタ、CLP 中印マネーが後押し
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200902200017a.nwc

 オーストラリアの南オーストラリア州イナミンカ地区で、高温岩体(ホットロック)を利用した
地熱発電の試験プロジェクトが進行中だ。開発にあたる豪エネルギー大手ジオダイナミクスは、
廃棄物を出さずに原子力発電所10基分に当たる1万メガワットの電力を生産できるという。

 ◆高温岩体で5%賄う
 2008年9月にジオダイナミクス株を10%取得し、筆頭株主となったインド電力最大手
タタ・パワーや、香港の電力大手CLPホールディングズなどが今後5年にわたって出資する。
 豪コンサルティング会社、マクレナン・マガサニック・アソシエイツの調査によれば、
うまくいけば12年までに高温岩体発電で国内電力の5%を賄うことが可能だという。
 オーストラリア地熱エネルギー協会によると、米国やアイスランド、ニュージーランドで
行われてきた地熱発電は、浅い火山系から熱水をくみ上げて使う。これに対し、高温岩体を
利用する地熱強化方式は、より深い岩の割れ目に水を循環させて水蒸気を発生させてタービンを
回す仕組みで、天候の影響を受けやすい太陽光や風力、波力発電と違い、
常に一定の供給量が期待できる利点があるという。
 CLPトゥルーエナジー・ユニットの取締役リチャード・マッキンドー氏は
「この技術は、豪州のエネルギー部門の炭素排出量削減に大きく貢献する」と話す。