会社員男性(当時47)がうつ病になって自殺したのは、業務の激増や上司の暴言が原因だとして、近畿在住の妻が国を相手に労災の不認定処分取り消しを求めた訴訟の判決が12日、大阪地裁であった。
山田陽三裁判長は「上司から『できが悪い』などと言われてうつ病が悪化し、自殺に至った」と判断し、処分を取り消した。

判決によると、男性は水道施設管理会社「日本ヘルス工業」(東京)の浄水場所長だった02年9月、営業部門のサービスセンター長兼務を命じられた。部下の数が10倍以上になり、1カ月の時間外労働も12時間近く増加。
同11月ごろ、うつ病を発症した。同11日、上司が社内の宴席で、男性について「できが悪い」「何をやらしてもあかん」などと発言。男性は翌日、宿泊先のホテルで飛び降り自殺した。

奈良労基署は04年、男性の自殺と業務との因果関係を認めず、妻の請求を退けていた。