神鋼、改質設備を10年度商業化 低品位炭の有効活用に道
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200811130101a.nwc

神戸製鋼所は、低品位のため未利用となっている石炭の改質技術開発にめどをつけ、2010年度を
めどに商業化に踏み出す方針を固めた。まずは、インドネシアなどの石炭火力発電所に石炭を供給する
海外の鉱山を主なターゲットとして、日量5000トンを処理する石炭改質プラントを売り込む。普及
すれば、世界の石炭資源の半分を占める低品位炭の有効利用につながる。

 開発したのは、水分の含有率が3割超と高いため、燃焼効率が低く通常は利用されずに放置されて
いる褐炭(かつたん)の改質技術。天ぷらの原理を応用し褐炭を灯油で揚げることで、水分を1割
未満まで除去する。神鋼が1980年代に豪州で進めた石炭液化技術が基礎となった。

 神鋼は93年から開発に着手。2003年からインドネシアで日量3トンの小規模設備を通じ
実験を重ねてきた。このほど、経済産業省の補助を受け、同国カリマンタン島サツイ鉱区で、総工費
約80億円をかけた日量600トンの大規模実証プラントが完成。神鋼は、12月4日に予定されて
いる現地での完成式に合わせて、2010年度の商業設備の受注計画と12年度の稼働計画も示され
る予定だ。