地方自治体、発電所の電力会社への売却相次ぐ--財政難で見切り売り
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90003017&sid=aFSwL4NfOmVo

 景気後退の深刻化で財政難が深刻化した地方自治体が保有している発電所の売却を急
いでいる。長野県と三重県が中部電力に水力発電所を売却する方向で交渉していること
が3日までに分かったほか、石川県も北陸電力に水力・風力発電所を売却する協議を開
始した。内需の低迷で地方の電力需要が頭打ちになっている中で、収益性の低い発電所
を持ちきれなくなったことが背景にあり、この動きは全国で加速しそうだ。

 長野県は全14カ所の水力発電所(出力・合計9万9050キロワット)、三重県は12カ
所の水力発電所(同9万8000キロワット)を中部電力に売却することで交渉を進めて
いる。両県は2010年3月末までに最終的な結論を出す方針。

 中部電力の広報担当、鳴神慎行氏は「長野、三重県と協議しているのは事実」と述べ
たものの、詳細についてはコメントを控えた。

 石川県は水力発電所5カ所(出力3万6100キロワット)と風力発電所2カ所(同
3600キロワット)の売却を目指す。いずれも売却額などは明らかになっていないが、
福井県はすでに、水力と風力発電所(同5万1800キロワット)を総額72億円で北陸電力
に売却することを決めている。

 発電所を保有する自治体は28都道府県1市に上り、主に水力発電による発電した電
力を電力会社に売却している。発電所の内訳は、水力が287カ所、風力が13カ所、廃
棄物が2カ所(08年4月末現在)。02年から07年にかけて青森、福島、埼玉、和歌山、
広島の各県がそれぞれ保有していた発電所を売却している。