火力 風力 太陽光… 『マイクログリッド』東京ガスが実用化へ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/technology/science/CK2008120902000164.html

 電力会社の大規模集中発電(原子力、火力など)と小型分散型エネルギー(太陽光、風力、
バイオマスなど)を組み合わせ、効率よく運用するシステム「マイクログリッド」の研究が
進んでいる。省エネや二酸化炭素(CO2)削減、災害時のエネルギー安定供給につなげる
ことが目的。大規模な実証試験設備を持つ東京ガスは、技術的には実用化段階に入っている。

 マイクログリッドは、一定の地域内でいろいろな電源を結び、効率的に運用して電力の需
給バランスを調整する地域電力ネットワーク。使いやすさと環境への負担低減を両立させる
方法として期待されている。
 「再生可能エネルギーとガス、電力、石油それぞれの特徴を生かし、補完し合うことで低
炭素型エネルギー社会を実現しましょう、という提案です」。東京ガスの徳本勉さんはそう
説明する。
 東京ガスは、電力だけでなく熱利用を含めて「ホロニックエネルギーシステム」という独
自の事業名を付け、力を入れている。語源はギリシャ語で、「ホロス(全体)」と「オン
(個・部分)」の調和を表す。徳本さんはホロニックエネルギーグループマネージャーで、
横浜市鶴見区にある横浜研究所で技術開発を担当している。

 国が積極導入を目指す再生可能エネルギーの代表格、太陽光や風力は気象条件で出力が変
動する。導入量が増えると需給バランスの調整が難しくなったり、電源側に逆に流れ込んだ
りして周波数や電圧が変化。電力会社の制御に影響が出るため、安定した“良質な電気”の供
給が難しくなる。「変動を安定化しながらマイクログリッドの技術で大規模電源と分散型電
源を調和させたい」と徳本さんは話す。