「インターネットでは、ウェブサイトにアクセスした時点で、接続したコンピューターを識別する
固有の『IPアドレス』(例:123.45.678.90)か『ドメイン名』(例:××××.co.jp)がサー
バーに記録され、この偽造は不可能です。
ここからプロバイダーが割り出され、プロバイダーの情報から利用者が特定されるのです」
これはパソコンだけでなく、携帯も同様。
では、実際に、どういう手順で犯人逮捕に至るのか。
ネット犯罪に詳しい紀藤正樹弁護士が解説する。
「警察は裁判所の令状を持って、ドメイン所有者に犯人のIPアドレスと接続時刻の開示を要求
し、プロバイダーを特定します。その後、プロバイダーにも同様の手続きで利用者の個人情報
を要求し、個人が特定されるのです。
不特定多数を対象にした『2ちゃんねる』などの匿名掲示板だけでなく、個人のブログや携帯の
プロフで個人や組織を中傷したり攻撃予告しても、名誉棄損罪や脅迫罪が適用されるので注
意が必要です」
ならば自宅のパソコンを使わなければいいのか、というと、それも無理だ。
「たとえばネットカフェのパソコンから書き込んでも、現在は警察の通達で、どこのカフェも個人
情報とアクセスログを管理しているため、すぐに利用者が分かります。
他人の無線LANを無断で利用してネット接続している場合は厄介ですが、それでもそのルー
ター(ネットワーク上を流れるデータを中継する機器)のアクセスを集中監視すれば、特定され
るのは時間の問題でしょう」