バイオ燃料は地球に優しくない…英議会がレポート
1月21日18時10分配信 レスポンス

英国下院環境監査委員会(House of Commons Environmental Audit committee)は、「バイオ燃料は地球に優しくないどころか、害をもたらす」とする報告書をまとめた。

同委員会がまとめた、「バイオ燃料は持続可能か?」(Are Biofuels Sustainable?)と題するレポートにおいて、バイオ燃料を製造するために、原料となる農作物の作付けを増やすことは、
結果として、食物の価格高騰や、森林開拓などによる環境破壊、生態系の破壊をもたらす、と指摘している。

獣脂を原料とするバイオ燃料においても、畜産品や飼料の価格高騰をもたらすとしている。
また、これらのバイオ燃料のCO2排出量は、化石燃料よりも多くなるため、地球には優しくないとも指摘している。

今年4月より、イギリスで販売されるガソリンやディーゼルのうち、2.5%をバイオ燃料とする目標を掲げており、この数値は2年後には5%に引き上げられる。
EUでも、2010年に10%がバイオ燃料とする目標を掲げている。

同委員会では、小麦、サトウキビ、トウモロコシ、菜種、パーム油などの農作物、あるいは獣脂などを原料とするバイオ燃料ではなく、
木や食用ではない植物、ゴミなどから製造されるバイオマス燃料の方が、環境に与える影響は小さいとし、こちらの技術開発を進めるように提言している。
《レスポンス Satoshi ANDO, European editor》