三菱重工、北電・泊原発での配管検査漏れを関電に伝えず
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 関西電力美浜原発3号機の蒸気噴出事故をめぐり、破裂した配管を検査台帳から漏らしていた
三菱重工業は、96年に北海道電力の原発で同じ部位の検査台帳漏れを見つけながら、
同様の台帳漏れが予想された関電には伝えていなかった。経済産業省原子力安全・保安院が
2日から始めた三菱重工への電気事業法(報告徴収)に基づく調査ではっきりしてきた。
関電の管理責任は免れないが、メーカーの情報の流れも今後の焦点になりそうだ。

 三菱重工は関電のつくった配管減肉検査の管理指針をもとに、90年代初め、同型炉を持つ
各電力会社の原発ごとに検査台帳を作成した。美浜3号機はこの過程で、主要な検査対象となるべき
2次冷却系復水管のオリフィス(流量を測る構造物)下流部が検査台帳から漏れた。台帳漏れは、
検査業務を96年に関電子会社の日本アームに引き継いだ際も、そのままになった。

 三菱重工の説明によると、同じ96年に美浜3号機同様、同社製で同社が減肉検査をしていた北電の
泊原発1号機で、美浜事故と同部位の検査台帳漏れに気付いた。その後、定期検査ごとに測定を
重ねたところ、予想以上に減肉が進んだため、99年4月と00年8月に日本アームに「オリフィス下流部
配管には減肉しやすい特異例がある」と指摘したという。
ただ、保安院の調査によると、三菱重工は日本アームとの技術会合で複数の項目の一つとして
挙げたに過ぎず、検査台帳に漏れがあったことについては言及していなかったという。
(09/03 16:13)
ttp://www.asahi.com/special/mihama/TKY200409030217.html