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直径が50cm、70cmの冷却系配管が瞬時に破断して冷却水が噴き出したとしても、高圧注入ポンプ、低圧注入ポンプ、
緊急炉心冷却装置を設けて炉心を安全に冷却するという考え方で、ありもしないような発生確率が100万分の1、
1000万分の1発生確率のものに対しても具体的な工学的な安全対策を立てているのが一つの特徴。それでもなおかつ何らかの形で炉心冷却に失敗した場合、部分的に炉心が溶けた場合、放射能が出た場合、
ストレートに放射能が環境に出ないために厚さ3cmくらいの鋼鉄製の原子炉格納容器で原子炉システム全体を囲って放射能を封じ込める考え方である。
旧ソ連は、5cmくらいの冷却系配管の破断に対しては、ポンプで冷却水を送って炉心を冷やせるよう工学的な対策がされている。ただし、
それは、緊急炉心冷却装置とはいわないで、充填ポンプといっている。30cm、50cmの大口径の配管は破断の発生確率が低いということで、
破断したときの安全対策は一切考えられていない。
だから、発生確率が低いものに対しては全部具体的な、工学的な安全対策をねぐっているという点が大きな違いである。ロシアは、
軍事費に金を使っており、エンジニアリングな問題に対して十分な安全というものを考える経済的余裕がないというのが、
米国とロシアの根本的な違いと考えている。