メーター不正改造:
近畿で240件、被害数千万円−−「電気料半額に」2人組が勧誘

 ◇昨年近畿で

 電気メーターを実際の使用量より少なく表示するよう不正に改造し、
電気料金の支払いを免れているケースが近畿2府4県で昨年1年間に、
少なくとも約240件あったことが関西電力(大阪市)の調べで分かった。
電気を使うことの多い事業所などに「節電できるから」と、
メーターの改造を持ちかけるグループが暗躍し、被害額は数千万円に上るという。
関電は、詐欺や器物損壊などの容疑で各府県警に告訴し、各府県警も捜査を始めた。
 関電によると、03年末ごろから、相次いで被害の報告が営業所からあり、最近になって急増。
このため近畿2府4県の被害状況を初めて調査。昨年分を調べた結果、
大阪府が最多の約160件で、続いて和歌山県で約40件あった。そのほか、
京都府で20件、兵庫、奈良両県は各約10件、滋賀県でも数件あった。

 同社や大阪府警の調べなどによると、グループは2人1組で飲食店や事業所を訪ね、
「メーターを工事すれば、電気料金を半額以上安くできる」と持ちかける。
使用量に応じて動く電気メーター内の回転盤を減速させ、実際の使用量よりも少ない数字を
表示するよう改造し、事業者側から1件につき数千円〜数万円を受け取っているという。

 不正改造は、耐用年数を過ぎたメーターを交換する際に判明。関電は使用者に不正分を請求するが、
被害額の特定は難しく、回収できるケースは極めて少ない。このため、同社は、
改造を持ちかけた人物がある程度特定できた場合などに、事業者を含めて告訴した。

 ◇関電が告訴

 関西電力地域共生・広報室は「被害が年間に数百件に上るのは初めてで深刻な事態と考えている。
違法行為であり、不正分など違約金の徴収や警察への告訴など厳しく対応している」と話している。