森林の水保全機能について、針葉樹・広葉樹、スギとヒノキの差とが議論されるが、具体的にど
の程度に定量的差異を生じさせるものかについて、正しく理解する必要がある。確かに、スギやブ
ナの広葉林地は、ヒノキ、アカマツなどの林地などに比べれば浸透能が高いし、Boshらの「森林の
伐採による年流出量の変化」の解析結果からも伐採の影響は針葉樹>広葉樹>雑木林の順となり、
蒸散量の差が現れている。つまり、水資源確保の面からは、針葉樹より広葉樹が望ましいことを示
唆している。
 一方、短期間の洪水流出については、樹種別はもちろんのこと針葉樹・広葉樹別の流況の差異は、
明確には知らされてはいない。しかし、林況が良好であるか否かによる流況、すなわち流出ハイド
ログラフに与える影響はかなりはっきりしている。

http://cyber.tokaigakuen-u.ac.jp/cosmos/earth/suigen.htm