今日の朝日新聞朝刊に、福島第一原子力発電所1号機の原子炉格納容器気密試験の偽
装工作についての記事が載っています。
 格納容器(高さ32メートル、最大直径18メートル)は、炉心を包む圧力容器などか
ら漏れた放射性物質を防ぐための機器。
 気密試験では、窒素を注入して容器内を2.6気圧以上に高めた後、予備試験と本試験
で各6時間かけて漏洩の推移をみる。
容器の約400ヵ所で配管が貫通し、弁もあるため、窒素がわずかに漏れ出る。
 1号機の場合一日換算の漏洩率が0.348%以下なら合格。
 
91年の気密試験では、漏洩率が2%前後と悪く漏洩をごまかすために主蒸気配管を通
じての空気注入を考え実行した。
 
偽装があった年以降に福島第一原発所長を経験した服部拓也・東電原子力本部福部長
は、今月11日の記者会見でこう語った。
「温度が1度違えば空気の体積は約0.3%変る。0.348%という基準の試験で温度の調
整をしないで空気を注入すればどうなるか。経験から言って簡単にできるとは思って
いなかった。」
 まさに「職人業」。それを悪用されるとは、だれも考えなかった。

 × プロジェクトX、技術大国にっぽんに不可能はない
 ○ 裏プロジェクトX、技術大国にっぽんに不可能はない