サービス残業とは、残業手当が支払われない超過労働全般を指す。厚生労働省によると、労働基準法37条違反
(割増賃金の不払い)で逮捕に至ったケースは92年以降3件目だが、サービス残業を主な理由とした逮捕は今回
が初めて。不況が続くなかで、サービス残業が増えている実態に警鐘を鳴らしたといえる。
 同省は01年4月に労働基準局長名で通達を出し、全国の労働基準監督署に指導の強化を指示した。この結果、
労基署が37条違反で指導した件数は▽99年1万1524件▽00年1万4671件▽01年1万6059件と、
年々増加している。労基署が悪質だと判断し、37条違反で書類送検した件数も99年から26件、30件、34件
と増えている。
 また37条違反で指導を受けた社会福祉施設は99年から127件、250件、307件と増えており、福祉の世
界での厳しい労働実態がうかがえる。