10年で公立の小中高30万教室にエアコン

 蒸しぶろのような教室では勉強に集中できない−−。こんな切実な声を背景に、文部科学省は公立の小、中、高校、特殊教育学校の普通教室に冷房を整備する方針を固めた。
都道府県や市町村がエアコンをつける際に経費の3分の1を補助する。来年度から10年間で、30万教室での設置を目指す。
地域によっては、すでに独自にエアコン設置などをしているが、暑さ対策が、ようやく本格化しそうだ。

 これまで文科省は補助対象を特別教室などに限っていた。小中学校の普通教室への助成は、騒音対策や学校開放で地域住民が使うなど特別なケースに限られ、設置率は5%にとどまっている。

 導入には、1室当たり機械、工事費に約100万円かかると試算。全国の小、中、高校は約3万7千校あるが、北海道、東北、北陸地方などを除いた学校が設置を希望すると見て、そのすべてに対応できるよう約30万教室を目標にした。
来年度予算の概算要求にまず3万教室分の整備費100億円を盛り込む。

 補助をしている小、中学校の冷房設置率は音楽室、家庭科教室、コンピューター教室など特別教室では17%。図書室が25%、職員室が54%、保健室は58%まで達しているが、完全冷房も少なくない私立校との設備の格差も指摘されていた。