そもそも原子力を進めたいと考えるのは、再処理路線から退却が出来なくなった
電力会社と今まで膨大な予算を遊びのように使ってきた旧科学技術庁やサイクル
機構(旧動燃)と経済産業省の一部だけの考え方です。与党内からも疑問の声が
強くなっています。(一部の古い頭のコテコテ保守を除いて)
霞が関の中でも古参な方です。もっとも保安院の要員等を東電の不祥事のあおり
を受けて増やすようですがな。だが大方は行きたくはないでしょう。官庁で働く
者にとっても「電力自由化」の方が魅力のある仕事であり、原子力は頭痛の種で
す。ある経済産業省の高官(最高クラス)はしばしばぼやいているそうです。
メーカーや鉄鋼業界、そのたゼネコンも遅々として進まないこの原子燃料サイク
ル事業には付き合いきれないというのが本音ではないでしょうか。
六ヶ所村のウラン濃縮事業は事実上商業ベースに乗っていないそうな。メーカー
の知人いわく、数年前に原燃の機械設備の関係の子会社の融資を持ちかけられた
ことがありましたが、メーカー各社は猛反発した、とのこと。いくら大口取引の
相手方だからといっても挙って本音を出したのですね。
電力業界だけの力で核燃料サイクルはうまく回るのかな?

自由化が完全になった暁にはエネルギー業界同士(自動車、石油、電力、ガス、
通信←?)の非常に激しい衝突、電力相場の激しい変動等が予想されます。
海外投機筋も飛びつくでしょう。海外で実績を積んでいる石油業界などは手馴れ
た戦略を立ててくるでしょう。
電力業界は送電線や変電設備の保持を守り抜こうとしていますが、舞台を変えた
戦略での戦いの方が激しくなるのではと考えますがな。
巨額の負債と高価な設備を抱えた東電がどこまでシェイプアップできるか、ここ
十年くらいがヤマでしょう。