98/12/15  ちょっと待った!環境ホルモン!
 最近、新聞を読んでいると「環境ホルモン原因物質」の簡便な試験法を開発した、、といった記事が連日出てきています。
しかし、根本的なところに大いに疑問が持たれます。例えばガンの簡便な試験法と比較してみましょう。
ガンの場合、人間は間違いなく損失を被っており、その原因や治療法などもかなりわかってきています。
どんな物質が人をガンにするか調べる場合、人体実験をするわけには行かないので、動物実験を行います。
しかし、それでもお金と手間がかかるので、微生物など安くて大量に入手できる物で代用しようと研究が進んでいます。
その際、最大の関心事は、その簡便な試験の結果と、人での結果に密接な関係があるのかどうか?です。
 ところが、環境ホルモンの場合、人に害があるのか無いのか?という点からして、まだわかっていない状況です。
そんな中で簡便な試験法を開発したとしても、それが人での結果と結びつくのかどうか?を検証することが当然出来ません。
ですから、それらの試験方法には意味を持たせることが出来ないのです。
基礎研究として検定法を開発することは非常に重要ですが、その結果を持ってして、
今の段階で「環境ホルモンだ」などと決定づけるのは全く意味がないことだということを、覚えておかなければいけないでしょう。
ttp://web.archive.org/web/20001014041302/member.nifty.ne.jp/TATEKI/PESTIC/OPINION.html