大気中の炭酸ガス濃度が100ppm増えると、海水のpHは0.12くらい下がる。
産業革命前の280ppm(現在350ppm)から400ppmになると、
pH 8.28 → 8.15
(ttp://www.ori.u-tokyo.ac.jp/topics_4/topics-j.htmの図4から読み取り)

ここからは素人による推測。
バクテリアやプランクトンにとってまわりの水は人間にとっての血液と同じような
ものだとすれば、0.1を超えるpHの変化はかなり大きな影響を与えると思う。
(人間は一時的なら耐えられるが、長時間続くと多分死ぬでしょう)
このため、pHの変化(酸性側)に強いバクテリアや光合成プランクトンが優勢となり、
そうでないものは大きく減少して、生態系のバランスが大きく変わる。
この結果、例えば赤潮のような(中身は違うが)現象が発生して高等生物(魚介類、珊瑚等)
で死滅するものが多く発生する。
と、いうことではないかと思う。読んだ論文自体や著者(多分日本の大学の先生)が今の私には
わからないのでうろ覚えです。

森林の土壌の酸性度も上がって、酸性雨が降ったときと同じような影響が出る。
農地の酸性度が上がるとアルミが溶け出して小麦などは不作になる。

あと、バイオスフェア2の実験が失敗した大きな要因の一つは土壌微生物の生態系をうまく
コントロールできなかったため酸欠になったことも有名ですね。

酸性化とは直接結びつかないが、炭酸ガス濃度が上がると樹木の生長が早くなるが
リンや窒素の供給が追いつかないので土壌がやせてしまい、生態系全体では悪影響
が強くなるという話もあります。

とにかく、生態系のような複雑系は外的条件が一定の時には準安定状態に落ち着い
ている(一日や一年の周期的な変動には適応する変化のリズムができている)が、
外的条件が変われば、それに合わせた状態に落ち着くまでかなり時間が必要だし、
暴走すること(単一主の異常発生や多数種の絶滅)もあり得る。
小さな変動はうまく吸収してくれることも多いが、それ100%期待する楽観論は危険。
原発の大事故より可能性は高いかも(原発推進はではありません)。