>>747

1ですが、再処理については、使用済燃料の処分の方法としては合理的だと
思ってます。ガラス固化体なら、臨界管理も不要ですし、真に不要な部分のみ
分離して処分するという考え方が、現代のリサイクル社会の考え方にも適合的
だと思います。ワンススルーだと、プルトニウムを含む使用済燃料を処分しな
くてはいけないところが、不安ですね。ガラス固化体の地中処分に関する安全
評価は既にかなり研究が進んでますが、使用済燃料をそのまま地中処分するの
であれば、もっと厳しい安全性検討が必要になるでしょうし、そうした検討は
今はまだゼロだから、バックエンドが振り出しに戻ることになってしまいます。
 もっとも、使用済燃料が溜まっているといっても、あれだけの発電量に比べ
れば、実はそうたいした量ではなく、ちょっとした施設があれば、100年分
ぐらいの使用済燃料貯蔵施設は作れそうな気はします。ワンススルーを期待す
る人達は、サイクルにあたる部分をすべて国営事業としている米国をモデルに
脱サイクルを考えているのだと思いますが、確かに、米国では使用済燃料の
最終処分は場所こそユッカマウンテンが候補になっているものの、実態は先送
りで、方法論も確定しておらず、長期中間貯蔵がバックエンド対策になってい
ますね。
 なお、電力会社は再処理費用等の核燃料サイクル費用については、かなりの
金額を引当処理しており、既に多額の積立金が用意されているらしいです。
この資金をそのままに「脱サイクル」なんてちょっと許されないのではないで
しょうか。

 あと、溶融塩炉等の将来炉の議論がなされているようですが、これらは、
まだ研究開発の目標であって、エネルギー政策として論じるのはちょっと
難しいかもしれません。将来的な可能性は否定しませんが。