>>56
各種の報告書等を見ても、自由化されて「止まる」可能性があるのは、
原子力発電所の新設や増設です。既存の発電所については、かなりの競争力を有する
発電施設になるとみられている。これは、各国の自由化事情を踏まえた識者の常識です。
原子力発電は、固定費比率が高く、燃料費等の変動費用は、再処理等の核燃料サイクル
コストを含めても、その割合はかなり少なく、全体で2〜3割の範囲内。よって、市場
での競争では、火力と異なり、かなりの低価格水準まで耐えられる。このため、ベース
ロード電源としての地位を失うものとは考え難い。燃料価格変動リスクがほとんど無い
からね。
というわけで、今の原発はどんな自由化でも大丈夫だが、今後、地球温暖化対策として
発電によるCO2排出の削減を目指すなら、どうしても原発の増設が必要となる。
このため、今後の自由化の検討作業においては、原発の増設が確実に行なわれるような
制度設計が必要だと思う。