(特に湾岸やイラクのように先に後方を荒らされたら反撃もままならず崩壊しやすいのです)
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実は、これ「アクティブ・ディフェンス」が「全縦深同時打撃」をくらったときと同じ問題だったりしてw

「アクティブ・ディフェンス」の問題は、基本が機動防御であり、しかも柔軟な兵力の転用を前提とします。
しかし、敵第1梯団と後方打撃に拘束され本来逆襲に集めるはずの部隊が動けず、さらに動けても後方打撃で自由に機動できず
そこに第2梯団を突っ込まれたら終わるよね・・・というもの

「ソ連式」では、防御は最小限であり、大規模な機動打撃による反撃が防御成功の前提です。
これが「エアランドバトル」による後方打撃で拘束、漸減されてしまったら反撃が行えなくなり、西側の突破を許してしまいます。

実は、ソ連も米軍も作戦次元でやってる事の本質は大差なかったりw

※ただ、エアランドバトルの方が、そもそもの出自からして防勢から出発している為、防勢作戦においては非常に効果的だと思います。
 ですが、攻勢作戦としてのエアランドバトルと全縦深同時打撃は、じつはかなり近似的だと思います。
 (OMG(機動グループ)の思想はその出自からして明らかに敵OODAサイクルの飽和を意図しています)
 (当時はOODAという言葉はソ連だし時代的にも無かったしで文章には一切出てきませんが、内容を読むとあきらかに近い思想をもっています)
 (よって実はOODAという言葉/単語に拘るってしまうと、いろいろ見誤る危険性もあるかと…)

※しかし、「エアランドバトル」と「全縦深同時打撃」では軍事戦略次元での大きな差異が発生します。
 それは「エアランドバトル」が最終目的としては敵組織体(システム)の破砕を目指すのですが(独軍やIDFからの継承)
 「全縦深同時打撃」においては出自の連続作戦理論を継承するので、敵の物理的撃滅を目指します。
 なぜならばシステム破砕は時間さえあれば戦力の回復ができますが、物理的撃滅では戦力の再生は困難です。
 連続的に会戦を行い、段階的に敵を叩くことを組上げる(ここが作戦術の発端)連続作戦では、前会戦で生き残った敵は再編成され、また戦力回復すると考えます。
 よって、各会戦段階毎に可能な限りの敵を物理的に撃滅し、段階的に敵損害を累積させて敵の回復力を奪う事を重視します。