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0001名無し三等兵
2005/10/22(土) 21:23:06ID:???トリップを使ってみるのもいいかも…
質問前にまずはここをチェック。答えが載ってる……かもしれない。
【仮設!2ch軍事板用語集】
http://banners.cside.biz/army_word1.htm
軍事板常見問題(FAQ)
http://mltr.e-city.tv/index.html
単語の簡単な意味・読み方は、辞書サイトで検索するのが吉。
http://jiten.www.infoseek.co.jp/Kokugo
過去ログ、関連スレ、その他注意事項は>>2-5辺りにて(2getは死刑)
0028眠い人 ◆gQikaJHtf2
NGNG全体的に軍事費の規模が縮小傾向にありましたが、必要なものを賄わないといけないので、偽装した支出が行われています。
種類的には以下のものです。
1. 予算には合法的に計上されていながら、ノレ基準(Versailles条約に基づいて国際軍事監視委員会が規定した軍備制限)
を越える軍備活動に対する支出
2. 予算に正規に計上されていない軍備のための支出
3. 軍備制限規定に違反し、かつ予算上の措置も執られていない軍備活動に対する支出
1920年代初頭の場合は、国防省に対する民間からの献金を財源に基金を設立、また、合法的に取得した予算費目から一部を
そう言った基金に組み入れて運用すると言うケースがありました。
1925年以降、陸軍では、正規の歳出額の1割をそうした非合法支出に充てていましたし、1923年のルール闘争に際して、政府が
国防軍に提供した、総額1億金マルクの資金から、ルール基金という基金を設け、これと民間からの寄付をを財源に企業に非合法
の出資とか融資を行い、補助金を交付しています。
例えば、これらの資金を以て、旧軍需産業で解体・撤去された軍需生産用の設備を買い取り、ロッテルダム、ストックホルムで保管
した後、新規に軍需生産に従事する企業にこれらの設備を提供し、資金を得ています。
これが、総額7,450万マルクに上りました。
0029眠い人 ◆gQikaJHtf2
NGNGまた、1927年に発覚した、海軍の「ローマン事件」では、海軍軍令部海上輸送部の部長だったローマンと言う人物の汚職事件ですが、
これは、海軍の秘密軍備資金を運用するために、映画会社の株式を取得し、その映画会社は、国防相、蔵相、海軍軍令部長の債務
保証の下に、資金借入を行い、映画の輸入割当についても政府から特別な便宜を図るなどした見返りに、彼の個人秘書に対し、映画
会社は彼女に多額の給与と住宅の贈与を行い、映画会社からローマンに対するキックバックは、1000万マルクに上ったと言うもので、
こうした資金運用が、陸海軍の裏基金を支えていました。
流石に、こうした偽装工作は政府の危機を招くことになったので、政府、議会、軍部と折衝の結果、1928年以降は以下のように秘密資金
の設定が行われるようになります。
1. 秘密再軍備のための資金は、合法的な会計上、陸海軍予算案の諸科目に偽装して計上されます。
また、一部は国防予算以外の政府支出で、「扶助」「一般財政管理」の予算案にも偽装した名目で国防軍支出が計上され、
予算成立後、それを組み替えて本来の支出目的に支出されました。
2. 合法的な会計は、陸海軍とも<白>会計と呼ばれ、陸軍の非合法会計は<青>会計、海軍のそれは、<赤>会計と
呼ばれていましたが、1928年以後は陸軍の非合法会計をX会計、海軍の非合法会計をB会計と言うようになりました。
なお、陸軍の非合法会計は、「軍備基金」とか「修繕基金」とする場合もあります。
3. 政府支出のうち、「戦後処理負担」の「武装解除・撤退」の支出の一部は、「製造施設基金」として軍需産業に補助金として
交付されたり、X会計に繰り入れられたりしています。
4. 航空戦力に関する支出は、X会計、B会計のそれぞれで支出されたほか、政府支出の「運輸省」支出からも民間航空に
対する補助金を実際の必要以上に多額に計上するやり方で行われました。
5. 陸軍では、陸軍兵器局が支出の担当となり、予算の集約、現金収支統制と支出統制は、1920年代半ばは参謀本部、
その後は国防局が当たっています。
その支出を管理する特別の国庫勘定としては、B勘定が設定され、全ての資金収支を統一的に管理することになって
いました。
0030眠い人 ◆gQikaJHtf2
NGNGこの支出の内訳ですが、陸軍はたいていの場合、総動員時に急増する軍備に備えて予め建設しておく製造設備資金に多く
充てられています。
1928年度のX会計予算は、総額6,910万マルクで、これは正規国防支出項目の実に43.2%に相当しています。
このうち、4,610万マルクはノレ基準に対する違法支出であり、更にその中の2,370万マルクは別の支出項目からの繰り入れ
支出でした。
施設建設支出の例を挙げると、既存製造設備を偽装して、歩兵・砲兵用兵器製造の為の機械設備の整備として、ポルテ、
ボルジッヒ、リグノーゼに資金を提供しますが、ポルテ以外は非合法企業でした。
火薬の製造能力向上のため、ヴォルフ、リグノーゼ、クリュンメル、ブラウエに対する事業所新設費用を提供しますが、この
4社とも非合法企業であり、事業は表向き、各社の自主的なものとされていました。
また、ドイツ硝子白熱光製作所(アゥワー)に対しては、ガスマスク製造施設の拡大が図られますが、名目上、これは、「市民
のガス防護の準備」、ティール・ゼーバッハ兄弟社は合法企業として信管製造を行っていましたが、計画による施設拡大と
製造能力向上は、動員時の必要を満たすためであったために、この事業は「時計製造施設の拡張」として実行されました。
最後に、毒ガス戦闘用資材の調達は、中間製品は通常取引でしたが、最終生産はソ連領内で行っていました。
ちなみに、国防軍支出に対する非合法支出(対歳出比)は以下の通りです。
1925 1926 1927 1928 1929 1930 1931 1932
陸軍非合法支出額 40 35 50 75.2 59.4 64.9 ? 66.6 (単位100万マルク)
国防費の支出割合 9.1 7.7 10.0 13.8 12.1 13.1 14.6
海軍非合法支出額 6.9 7.7 12.3
対支出比 3.3 4.0 6.8
ちなみに、大蔵省内部では、「海軍は何時も嘘をつく。陸軍は本当のことを言うが、ただ、それは極稀だ」と言われていました。
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