>>592
 病室には妹の苦しそうな吐息と心拍計の電子音だけが響いている。
 妹の白い顔は時折苦しげに眉をゆがめるが、それ以外は至って静穏
なものだ。
 とても、医者がさじを投げた患者には見えない。

 なんで、俺じゃなくて妹なんだ。まだ中学生じゃないか。あんまりだ。
「お兄ちゃん……」
 いつもの祈りとも呪詛ともつかない思いが終わる前に、妹が静かに
口を開いた。
「……なんだ?」
「わたし、戦艦が見たいよ。」
 戦艦か。戦艦どころか、この1年病室の外に出れずその辺の川に係留
されてるプレジャーボートすら見れないのに。
「戦艦……戦艦か。……海上自衛隊の16DDHじゃダメか?」
「ううん」
ちょっと考え込んだ妹は、儚げに笑ってこう答えた。




「……北朝鮮が将軍様の英知で設計し、朝鮮人民の総力を結集して建造した、
 世界最強の戦艦”白頭山号”が見たいよ」


 ちょwwwwwおまwwwwwww横山信義……いや吉岡平か夏見正隆連れてくるwwwww