歳出削減や増税でプライマリバランスを達成するという手段は実現可能性が低いというか
不可能だと考えております。一般論になりますが、歳出削減や増税は民間の投資意欲を
損ねます。すなわち景気の悪化要因です。マクロモデル的には、景気悪化を通じてビルト
インスタビライザーにより意図せざる社会保障費の増加と税収の減少を生みます。ここ10
年の税収・社会保障費の増加を見ていれば明らかだと思います。今、日本の財政に負担
をかけているのは、既に公共事業ではなく社会保障費の増加である事は財務省自身が認
めており、そこで構造改革当初の課題が社会保障負担の削減となったのです。
景気と財政は密接に結びついているのです。