この事件、よく言われる見解の中に「そもそも便槽に入ってなかった」てのがあるけど、これが100%正解。
なぜなら、この線で考えれば様々な謎の説明がつくから。
まず、被害者の体勢。
これは被害者が本当は便槽に入ってない故に犯人達がそれをイメージしてとらせた姿勢。
または、殺害現場から遺体を運ぶ際、車のトランクに積むのにあのような姿勢にした。
犯人達は被害者を何らかの方法で眠らせた後裸にし、東北の冬の寒さを利用して殺害した後、死後硬直が起こる前にあの姿勢をつくった。
死体が胸に抱えていた衣類がきちんとたたまれていたのも、他人の手によるものだから。
狭い+U字型の便槽になんて被害者が自分で入ったなら衣類をあのような綺麗にたたまったままで維持できるわけがない。また、便槽の中で服を脱ぎ、たたんだなんてのは尚更ありえない。

あと、『靴が片方被害者の顔の上にあった』は、第一発見者が事にリアルさを出すために言った虚偽。
そして通報で駆けつけて便槽壊しをやった人達は犯人のグル。
事件現場には一般人は立ち入ることが出来ない。
村人は犯人達の大掛かりなリアル演技(偽装工作、自作自演)の外側しか見てはいない。
要するに便槽破壊までの経緯を直接は見ていないということ。
情報だけで便槽の中に死体があったと思いこまされているだけ。
で、犯人達のこのシナリオが計画的と見なせる重要点があり、それは『便槽内の汚物が事件直前に汲み取られていた』ということ。
便槽壊すんだもん、そりゃ事前に汲み取っておくわなと。
被害者の靴が片方河原に落ちていたのは、おそらく、そこが殺害現場、または犯人達となんらかの話をした場所だから。

便槽怪死事件は固定観念の死角をついた、心理トリックで完成させられた。

ちなみに、わざわざ殺害方法を(被害者を)覗きに仕立て上げたワケは、その方がアフターの都合がいいから。
(これは普通に考えれば分かることだから割愛……)

一番最初に便槽に入ってなかった説を論じた奴は頭いいね。
俺もこの考えは思いつかなかったもん。