動機は犯人しか知りえないだろうが、「懇親会のぶどう酒に毒を入れる」行為の目的を、
犯人が生きている場合・死んだ場合で考えてみると、

犯人は死亡者の中にいる:
  @ 道連れ自殺(1人で自殺するのが怖かった)疑問点:普通ならば家族などの親しい人だけを選びそうなもの?
  A 抗議の自殺(何かの恨みを訴えるため)疑問点:訴えたい内容を遺書に残しそうなもの?
  B 復讐の自殺(憎い相手を困らせるため)疑問点:事件を起こすことで何故その相手が困ることになるのか?
  
犯人は生存者の中にいる:
  C 特定の人物を狙った犯罪(犯人・動機捜しをぼかす目的で毒)疑問点:狙った相手を殺せるという確実性に欠ける?
  D 不特定の人物を狙った犯罪(愉快犯・あるいは村全体に対する恨み)疑問点:狭い村なのでその人物に心当たりがありそうなもの?

死ぬ予定だったのに助かってしまった、助かる予定だったのに死んでしまった、という場合も考えられるが、毒を盛る目的という観点からは
それぞれ犯人死亡・犯人生存のケースに含めることができる。
勝が犯人ならばCかDということになるが、妻を殺そうとしたのに、妻に「今日はあまり飲むな」といったという話は目的と矛盾。
妻は殺さず、愛人を殺そうとしたなら、妻死んじゃってるしあまりに杜撰といえる。Dなら快楽殺人w?

以下、勝が犯人でない場合の妄想。
自分はBのN男の妻の復讐に一票。夫の暴力や姑との不仲で、たびたび隣家に逃げ込まなければならなかった妻が自殺。
しかし、ただ死ぬだけでなく大事件にすれば、村の権力者で我が物顔であった夫の一家の面目は丸つぶれになる。
自分に辛く当たった姑と小姑ももちろん標的。もしかするとだが、夫の浮気絡みで村の他の女性達を憎んでいたかも知れない。
ビンの王冠が一度開栓されていれば、次に開ける時には必ず気がつくと思う。歯で開けたのがN男だとすれば(これも証言は二転三転しているが)、
その時点で一度開いていることに気づいたはずだ。
ぶどう酒が数時間自宅に置かれていたこと(当初の証言通りとして)、妻が一気飲みしたこと、日頃の妻との関係を足し合わせて、
妻が自殺し、大事件にすることで自分の顔に泥を塗ろうとしたと思い当たった。村の面々もその辺の事情を薄々気づいている。
だが死んだ者を表立って悪くいいたくないし、できれば村の有力者に睨まれたくもない。余計なことはせず警察の主導にまかせる。
N男は妻が勝に惹かれていると思い、嫉妬していたかも知れない。警察の意向をこれ幸いと考え後押しした。