大学の頃、古本屋で佐藤一の「下山事件全研究」を発見。
かなりの高値がついていたが、当時はネットオークションなんか
なかったし、これを逃したら今後いつ手に入るかわからないと思って、
友達に借金までして買った。
一気に読んだが、読み終わって愕然とした。
俺はこんな本に幻想を抱いていたのかと。
早い話が、他殺説が主流になったのは、すべて共産党と松本清張の陰謀だと
いう陰謀論で突っ走るトンデモ本。清張の1201号列車遺体運搬説への反証
など、まともな論述もあるんだけど、全然決定打になってないんだよね。
別に遺体を運ぶ手段は1201号列車しかなかったわけじゃないんだから。
あと、別の本だったかもしれないが佐藤は、矢田の後を受けて下山事件を
追っていた斉藤茂男についても、勝手に共産党のエージェント認定している。

やっぱり、別にやばい本でもないのに復刊されないのは質に問題があるからに
過ぎないと思ったよ。あまりにも高い授業料だったけど・・・