「京アニ」放火 死者35人のうち10人の名前公表 京都府警
2019年8月2日 15時56分

 7月18日、京都市の「京都アニメーション」のスタジオが放火された事件で、京都府警察本部は亡くなった35人について
これまで名前の公表を見合わせていましたが、2日、このうち10人の方の名前を公表しました。
 7月18日、京都市伏見区にある「京都アニメーション」のスタジオが放火された事件で死亡した35人について、京都府警察
本部は亡くなった方全員の身元を特定していますが、これまで名前の公表を見合わせてきました。
 京都府警察本部は2日午後3時に、亡くなった方のうち10人の名前を公表するとともに、西山亮二捜査1課長が説明を行いました。
 この中で西山捜査1課長は、名前の公表がこの時期になったことについて「ご遺族のショックが大きく、死を受け入れるまでに
時間がかかっていると認識している。ご遺族と、実名公表に反対している会社の意向を丁寧に聞き取りながら、広報の
タイミングについて慎重に進めてきた結果だ」と説明しました。
 また名前の公表が一部にとどまった理由として「ご家族が実名公表を承諾したのが10人だった」としています。
 現時点で公表を見合わせたほかの25人については「引き続き、遺族や会社に丁寧に対応していく」としています。

■警察としては異例の対応
 今回、警察が名前を公表したのは、亡くなった35人のうち遺族の承諾を得られたとする10人。およそ7割にあたる25人については
「遺族の承諾が得られていない」などとして2日は公表しませんでした。警察としては異例の対応といえます。
 今回の事件で、「京都アニメーション」は、警察などに対して亡くなった社員の実名を出すことを控えるよう要望
していました。
 警察は、通常、亡くなった人の身元が判明した時点で名前を明らかにしますが、今回、京都府警は、「遺族への配慮などから
発表の時期や方法を慎重に検討している」と説明しこれまで公表していませんでした。
 そして2日、遺族の承諾を得られたとして10人について名前を公表しました。
 公表にあたっては「葬儀を終えているかなども考慮した」としています。
 警察としては異例の対応といえますが、ほかの25人の被害者について、京都府警は「引き続き遺族や会社に説明し、
了承が得られるよう努めていく」としています。