吐く息は白くなる端から水となって肌を焼き、凍り付いた睫毛は瞬きの度に音を立てた。
武具は冷え切って重たく、体力は日に日に奪われ、娯楽の類はほとんどない。
五人の冒険者には令嬢騎士の他、女性が二人いたが、もちろん男たちは弁えていた。
故に、彼らは食べることで気を紛らわせ、体力を補おうとする。致し方のない流れでは、あった。
しかし装備に柵、防寒具の類まで加えた大荷物。個々で運べる糧秣は、たかが知れている。

一行には猟師の心得を持つ者もいたが、五つ分の獲物を安定して獲れるとは限らない。
そもそも、矢の類は消耗品だ。突き刺さったものを回収して再利用するとしても…。

そして、まず最初に水が尽きた。
悪いことに彼女たちはまず、氷や雪をそのまま食べて腹を下し、さらに消耗を強いられていた。
彼女らは愚かではない。手間でも何でも、火にかけて溶かすよう心がける。
必然、次は燃料が不足する。
食料は乏しく、水はなくなり、暖を取ることも困難。
かくて令嬢騎士が練り上げた大胆不敵な作戦は、儚くも崩れ去った。

しかし今更討伐を諦めるなどというのは馬鹿げている。
なにしろ敵はゴブリン。最弱の怪物。初心者向けの相手。最初の冒険。
それを相手取って戦わずして敗北、逃走するなんて認められるわけもない。

(その後仲間にいびられ、物乞いに行かされるが略)