やがて一際盛大な声があがり、ずしゃりとそのゴブリンが、威厳たっぷりの足取りで現れた。
薄汚れた鉄兜。全身を覆うのは継ぎ接ぎの鉄鎧。カーテンを剥いだ深紅の外套を引きずって。
腰にぎらりと輝く銀の剣を佩いた−小鬼の中にあって、神々しささえ漂わせるそれ。

「ORARAG!ORRUG!」

小鬼聖騎士。その重々しい声を聞きゴブリンは一斉に跪いた。
ずらりと整列して頭を垂れ、まるで海が割れるように、広場に一本の道を開ける。
そこを、小鬼聖騎士はずるずる、外套を引きずりながら、堂々と歩きだした。
腰に帯びた銀剣の鞘先が石畳にあたってガチガチと弾けるが、気にした風もない。

進む先には、ガラクタと死体を寄せ集めて作られた、大きな椅子。
嫌らしく歪んだ顔には、いっそ誇らしささえ滲んでいる。
それは滑稽なまでに戯画化された只人らの姿であり、どこらでも悪辣で、悪趣味だった。


……。
ゴブリンを池沼に描いてけなしてみたり、忠誠心が高くてもけなしてみたり
その時の設定も脳内で変化するからどこから突っ込んでいいのか見当もつかない