糸守復興論争の長期化を嫌い水没した東京を脱したサヤちんはテッシーと一緒に縁も縁もない北海道内陸部に移り住んだ。
そこが津波、水害、台風、地震、地盤、原発、他国からの侵略、治安等全ての面から総合的にみて日本で一番安全と判断したからであった。
冬の寒さと積雪も飛騨高山育ちのサヤちんにとっては慣れ親しんだものであり
大都市札幌も車を走らせれば1時間の圏内であった。
そうして彼女はようやく求め続けた安全を手にしたと信じた。
あの女が来るまでは……