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【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ125

■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001名無しさん@お腹いっぱい。2019/07/20(土) 23:39:39.00ID:XquHwNU10
こちらは「咲-Saki-」の登場人物、須賀京太郎と女の子達がキャッキャウフフなことをしている妄想を楽しむスレです。
妄想小ネタ・SS・雑談などをしながら、みんなで盛り上げていきましょう。
京×女の子ならハーレムなど、なんでもOKです。職人様大歓迎!どんどん投下してください。

・荒らしは徹底スルーして下さい。構う人もまた荒らしです。
・過度なエロネタ、グロ、暴力表現は禁止。18禁SSはまとめWikiに直接置いてください。
・次スレは>>980か、総書き込み量が480KBを超えた後に最初に書き込む人が宣言して立てること。
無理なら代役をお願いしてください。

○まとめWiki(過去スレ一覧)
咲-Saki- 京太郎SSまとめ
http://www34.atwiki.jp/kyotaross/

○荒らしはNGワード指定等で対処、又は黙々と下記スレなどで報告
新こらこら団のスレ124
https://agree.5ch.net/test/read.cgi/sec2chd/1557671897/(※他スレとのマルチポストを証拠に出せると若干対処してくれやすいかも)

スレ内では一切触れない構わない
荒らしは無視が原則

○避難所
http://jbbs.shitaraba.net/anime/10605/

○前スレ
【咲-Saki-】須賀京太郎カプ総合スレ124
https://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/anichara2/1558277953/
0763名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/28(土) 19:51:09.21ID:9sd1aBjI0
>>762
シノチャーは叔父さんをドイツにハイエースしてダンケダンケしたから…
0764名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/28(土) 22:50:30.46ID:6ykeEeMN0
京太郎「…」カチカチ

咲「あついー」パタパタ
和「そうですね」
優希「あついじぇー」バサバサ

京太郎「…」チラ

まこ「ふぅ,暑くてたまらん」パタパタ
久「あー,アイスが欲しいわねー」グダグダ

京太郎「……」カチカチ

京太郎(この部室…)
京太郎(目に毒すぎる!)
京太郎(いやもう,なんというか,俺居るんだよ,なのにさぁ…)

咲  ←裸足パタパタ
和  ←色っぽい
優希 ←スカートばさばさ
久  ←仰向け
まこ ←胸元パタパタ

京太郎(なにこれ)
京太郎(無防備すぎない?ねえ,無防備すぎじゃない?)
京太郎(特に和とか…汗が色っぽくて…)チラ

和「ふぅ…暑い…」ガサゴソ

京太郎(!!?)バッ
京太郎(むむむむ胸に手を入れててててて!!?)ドキドキ

優希「のどちゃんもはしたないじぇ!」
和「え……あっ,こ,これは汗で蒸れて…」アタフタ
咲「あはは…そのぐらいあったら蒸れちゃうよね」

京太郎(し,心臓に悪い…ネトマに集中…集中…)

久「どう,勝ってる?」
京太郎「!?」ビビクン!

久「わっ…集中してた?ごめんなさいね」
京太郎「い,いえ,大丈夫です」

京太郎(あー,びっくりした…)

久「えーと…あら,一位じゃないの」
京太郎「ええ,直近の成績も1,2,1って感じですね」

久「スゴイじゃない,そのお手並みでも拝見しようかしら」
京太郎「よろしくお願いします」ペコリ

京太郎(すぐ隣に部長が…あっ,なんかいい匂いする)
京太郎(ちょっと汗ばんでるせいか,色っぽく見えるし,心なしか距離も近いような…)
0765名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/28(土) 22:51:34.02ID:6ykeEeMN0
京太郎(って,何考えてんだ俺は!?)
京太郎(ダメだ,集中,ムラムラしちゃダメだ…集中…)

久「あっ,ここはね…」ズズイ
京太郎「!?」

京太郎(む,胸元が少し空いてて……みえ…あっ)

久「〜ってことだから,こっちの方が…」チラリ
京太郎「……あ」フリーズ

久「……」
京太郎「……」゙

久「えっち」ボソ
京太郎「うぐっ!?」

久「さっきから挙動不審だったのも,私たちのことチラチラ見てたんでしょ…?」
京太郎「そ,そんなことないですよ」

久「別に咎めてる訳じゃないわ」

久「私はただ,誰のどのような仕草にドキドキしてたのかを聞きたいだけ」
京太郎「えっ,えぇっと…それは…」

久「やっぱ和かしら,大きな胸の汗を拭く仕草にはドキドキしちゃうでしょ?」
京太郎「ど,どうでしょうねェ」ドキドキ

久「まこも色っぽいでしょ?自分が美人だなんて思ってもないから,無防備なところがちらほら」
京太郎「そ,そうなんですね」

久「咲はどうかしら,その体躯に似合わない健康的な下半身はそそるものがあるんじゃない?」
京太郎「…ま,まあ,否定はしませんよ」

久「優希はがさつで無防備だけど美少女なことは確かね,ふと女を意識したことはあるのかしら…?」クスクス
京太郎「え,えー…ノーコメントで」

久「ね,どうなの,正直に言ってくれたら少しサービスしてあげても…」
京太郎「あー,あーっと…」

京太郎「ちょっと暑いんでアイス買ってきますね!!!」

ドタバタ!バタン!ダダダダ…

まこ「…急にどうしたんじゃ?」
久「さぁ,火照っちゃったのかしら」
和「せっかくですし,私たちの分もお願いしましょうか」
咲「私ガリガリ君食べたいなー」
優希「京太郎に連絡しとくじぇ!」

その後,部員たちの一挙一動を意識してしまう京太郎がいましたが,今日も清澄高校麻雀部は平和です

カン!
0766名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 00:50:40.71ID:Y0pADm7q0
んほ〜!!
0767名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 01:52:55.01ID:3gztvR/s0
自分だけ意識してると気付いたら我に返って急激に萎えるよね
0768名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 03:32:30.40ID:PljJKS2e0
やはり部長はエロい
0769名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 20:07:32.51ID:BVd0PJu50
久「須賀くんってホモなの?」

京太郎「何を唐突に」

久「だってそうでしょう、格別の美少女がズラッと五人もいるのに見向きもしないじゃない……あら、そういえば和は見てたわね」

京太郎「黙秘です」

久「あら、それなら優希かしら」

京太郎「黙秘します」

久「咲も、何だかんだで夫婦扱いされてるのよね」

京太郎「黙秘します」

久「ならまこ?ぶっきらぼうに見えるけど、いい奥さんになれそうだもの」

京太郎「黙秘します」

久「……じゃあ、まさか……私ってことはろないわよね…?」

京太郎「……もくひ、します…」

久「…………」

京太郎「……」

久「………あの、明日…いえ、夜まで待って?」

京太郎「はい…」


翌日の部室で妙に初々しいカップルぶりを発揮しますが無害です
0770名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 20:17:14.08ID:v+dvSe4W0
>>764
乙!
これこれ!こういうのが見たかったっす!
個人的には京ちゃんは女子を振り回すよりも振り回されてる時の方が真価が発揮される気がするっす!
0771名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 21:31:24.89ID:0JtK9uPeO
京太郎がホモなのかどうか確かめるべく
キャップにハニトラで限界まで煽るようけしかけたヒッサ

次の日には金髪のおしどりカップルが誕生していたのであった
ヒッサ「こんなはずでは」
0772名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 21:34:04.79ID:ubsLqKM80
>>771
詳細はエロパロの京キャプなんですね?
0773名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 23:23:52.30ID:WLivBJtq0
>>769
すごく好きです
0774名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 23:40:19.05ID:GdgSOHio0
少し投稿にてお借りします。

幸福の京太郎

昔々とある国にキョータローと呼ばれる銅像がありました。

キョータローには宝石雀牌が散りばめられており、

国の人々にとても大事にされていました。

何故なら雀牌には「記憶」や「豊穣」・「支配」といった不思議な力が秘められており、

キョータローが異能の力を分けてくれるかも知れないとのうわさがあったからです。

その為キョータローの像にお祈りの列が途切れる事はありませんでした。

その列の中には努力はしているが中々マージャンに勝てず貧しい子もいました。

この国では王様の命令でマージャンの強い人がお金をたくさんもらえるようになっている為、

貧しい子達は毎日一生懸命にお祈りします。

「おとうさんとおかあさんが我慢しないでご飯が食べられるようにマージャンが強くなりますように」

「妹の病気を治す為のお金を貰う為にマージャンが強くなりますように」

キョータローはこの貧しい子達にこの雀牌を渡せないかと考えておりました。

するとサキと呼ばれる顔見知りのツバメがキョータローの元にやってきます。

サ「キョーちゃん悲しそうな顔をしてどうしたの?」

キ「あの貧しい子達に俺のこの雀牌を渡す事ができればあの子達が幸せになれるのに渡す事が出来ないから悲しいんだよ」

サ「それなら私がその雀牌をあの子の家に届けてあげるよ」

キ「本当か?それはとても助かるよ。」
 「でも寒くなってきているのにサキは平気なのか?」

サ「多分大丈夫!でも寒かったらキョータローさんの胸元で暖まらせてもらうからね」

キ「どんとこいだ。じゃあまずあのノドカという子にこの「確率計算の雀牌」を届けてほしいんだ」

サ「わかったよ!」

そうしてサキはキョータローの言う通り貧しい子の家に雀牌は届け続けました。
0775名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 23:41:21.71ID:GdgSOHio0
しかし最後の牌を届ける途中雪が降り始めサキがキョータローの元に戻る時には吹雪になってしまいました。

最後の力を振り絞りサキはキョータローの胸元に帰ってきたのですが…

サ「ちょっと無理しちゃったかな…」

キ「サキ、しっかりしろ。今暖めてやるからな!」

サ「…すごく眠くなってきたから少し寝るねキョーちゃん…」

そのままサキは眠るようにキョータローの胸元ではかなくなってしまいました。

キ「サキ…有難うな。生まれ変わったら今度は俺がサキを…」

次の日この国に新しい強者雀士達が複数誕生し貧しい者は居なくなりました。

しかしキョータローの像は全ての雀牌が無くなった事により祈りを捧げる人が居なくなり、

そのまま捨てられてしまいました。像の胸元には安らかな顔をしたツバメが寄り添っていたそうです。


〜そして長い年月が流れ〜

【東場無双】タコス「おい犬!ご主人様に早くタコスを持ってくるじぇ!」

京「さっき渡しただろーが!」

【確率計算】和「ゆーきはいい加減に食べすぎです」

【記憶】まこ「確かにゆーきは食いすぎじゃ、自重しんさい」

タコス「だとしても念の為ご主人様の為に用意しとくのが犬の役目だじぇ」

【悪待ち】久「だそうよ?須賀君」

京「てか部長もこのタコス娘の事止めてくださいよ・・・」

Prrr…

京「咲から電話…もしもし?どうしたんだ?」

咲「京ちゃーん…ここどこぉ…?」

京「また迷子か!すぐ迎えに行くから絶対にその場を動くんじゃないぞ!」
 「部長、咲の回収行ってきます」

久「よろしく〜」
0776名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/29(日) 23:42:00.00ID:GdgSOHio0
そういって部室を飛び出した俺は電話で咲に周りにある物を確認しながら咲を見つけた。

途中で雪が降ってきた為俺は早めに見つけられてよかったと内心ホッとしていた。

京「おーい咲ー」

【嶺上開花】咲「京ちゃーん(泣)」

京「迷子になって泣くならもう少し注意しろっていつも言ってるだろう」

咲「ごめんなさい…」

京「ま、今回もちゃんと無事に見つかって良かったよ」ナデナデ

咲「でも今回は雪も降ってきて寒かったし見つけてくれるか少し不安だった…」

京「…」ギュー

咲「え!?ど、どうしたの京ちゃん!?いきなり抱きしめてくるなんて///」

京「どんな所に居ようどんな状態であろうと絶対に見つけてやるよ。咲は俺が守る。」
 「それに寒いなら俺がこうやって暖めてやるから安心しろよ。」

咲「〜っ!?///」

そう…それが咲を初めて見た時から芽生え今も変わらない俺の気持ち。

前は貧しい人へ手を差し伸べた。だから今も異能持ちが生まれ変わり生き続けている。

それはそれで良いのだろう。前世の俺が望んだ事だ。

でも今の俺は「何が有ろうと咲だけは絶対に俺が守る」

それがサキが死んでから誓った俺の全て。

もう2度と暖める事もできず失う事はしないからなサキ…

カン
0777名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 00:44:43.73ID:HpkG3pr70
咲さんは銅像の胸元で死んだから生まれ変わっても胸が銅像のようにカチカチになってしまったのか、悲しい物語だなぁ。
0778名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 00:57:02.70ID:UKW5f3uP0
酷い解釈をするのはやめろぉ!
こういう童話チックなお話もいいよね!おつ!
0779名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 08:25:09.86ID:eramku8l0
>>777
お前悪魔か
0780名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 08:28:55.83ID:vYfVVIjL0
>>771
優希「後輩と犬が仲良くしてると思ったら付き合い始めたじぇ…」

和「幼馴染を紹介したら、おもち姉妹に掻っ攫われてしまいました…」

久「美穂子が須賀君と仲良くなってたわ…」

まこ「よう手伝ってもらっとったら、うちの客の人らに夫婦扱いされるようになっとったわ…」

咲「お姉ちゃんに紹介したら淡ちゃんと仲良くなってた…」
0781名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 12:29:31.36ID:Yc9rA9Th0
>>780
一人だけ自虐風自慢話してる人がいるんですが
0782名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 13:12:22.35ID:kGVEzfmOO
これがスピンオフ主人公の余裕か
0783名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 13:26:07.95ID:HlQN7bhZ0
>>777
姉の鉄板はそのとばっちりか……
0784名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 13:26:53.12ID:HlQN7bhZ0
>>780
おい、1人だけ勝者が紛れ込んでるぞ
0785名無しさん@お腹いっぱい。2019/09/30(月) 22:19:24.77ID:P57kzZFv0
まさかのどっちが対魔忍になるとはな
0786名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/01(火) 01:26:52.16ID:+OFikXpg0
最近阿知賀共学とか読み返してるけどやっぱり楽しいな
0787名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/01(火) 14:51:20.51ID:8PzcuEg70
最後の客が代金を支払い、また来るよと笑って去っていくのを見届けて、閉店。
ここしばらくは毎日同じことを繰り返しているのに、慣れたと実感する余裕さえなく。

「お疲れさん、閉店までやってもらって悪かったの」

残暑の厳しさもあって冷房をかけているにも関わらず、エプロンの下は汗でぐしょぐしょのシャツが一枚。
つっかれたー!と椅子に座る汗だくの後輩に、感謝と申し訳なさと愛おしさが止まず。
どうするんじゃと問うと、泊まりたいですと戯けた答え。
フロア担当で雇った金髪の後輩は、席が空いた時の打ち子としても良く働いてくれていた。
優希、咲、和の三人は、実力も隔絶しているし、加減して打つことも出来ない。
そこへくるとこの後輩は、ルールや役はなんとか覚えたもののヘボ、初心者の域を脱することも出来ておらず。
ただ楽しむために打ちたい、言っては何だが下手の横好きと言える中年相手には丁度良い塩梅であった。

「風呂はどうするんじゃ?入るんやったら前のシャツも出さんとあかんぞ」

「あー……でも入りたいなぁ」

「……しょうがないのう」

それは、端的に、二人の間での暗黙の了解だった。
京太郎を背中から抱きしめ、首に手を回し、深く息を吸い込み──

京太郎が和目当てで入部したのは、まこも知っていた。
女所帯に黒一点、とはいえ仲間と認められたいと頑張っていたのも知っている。
その尽くを、部長は便利に利用した。
学ぶ機会など本とインターネットで充分とばかりに、僅か六人の部活の中でも活きた対局をする機会さえ殆ど与えられず。
にも関わらず、全国の舞台で晒し者にされ。
他者の夢の為に使われ、その果てに与えられたのが誹謗中傷。
支えていた恋慕さえも無惨に終わって。
居場所を失い、居場所を捨てた京太郎に、慈母が如き甘言を用いて。

まこは、全国の頂点に立つために自分が必要だったのか、長らく悩んでいた。
綺羅星の如き才覚、或いは限界まで突き詰めた確率論、或いは魔弾が如く他者の思考の隙間を穿つ打牌。
それらに比べた時の自身の非力さを、誰よりも知覚していた──せざるを得なかった。
自身以上に打ちひしがれた後輩と、傷を舐め合わないかと誘惑し。
彼に依存していることをひた隠しにしながら、彼の求めるもの──癒し、依存、慈愛、承認の全てを与え、同じものを貰って。
歪な共依存が、時を経るごとに恋慕となり、愛に昇華され、ここでようやく恋仲に到り──
0788名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/01(火) 15:38:36.00ID:xoguiyTG0

シャツがグショグショなのはまこなのか京太郎なのか
全体を読み終えるとまこである筈だけど、そこだけ読むと京太郎にもとれるような…
0789名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/01(火) 20:24:42.62ID:8Dk/OVUG0
それはなにかい、グショグショなのは本当にシャツだけなのかいって言う遠回りな下ネタかい?

しかし京まこ、やはり良い
0790名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/01(火) 20:41:40.34ID:u79C5mI80
ほう,京まこですか…大したものですねぇ
こういう暗めで優しい感じの話好き!
0791名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 01:08:52.83ID:vTn0lFLP0
呼吸が当たる

その表現が正当であるほどの至近距離、眼前いっぱいに彼の顔が広がっている.
どうしてこうなったのか,思い返しても分からない,いつものように彼と挨拶を交わし,そのまま日常が始まると思っていたら……

呼ばれる名前

振り返る

鳴り響く音

塞がる手

至近距離

――私はいわゆる壁ドンをされている.彼に,同じ部活の須賀京太郎に.こうして壁を背に,追い詰められている.
脈が早くなっている、心臓はもう既に限界を迎えようとしている、私はただ彼の言葉を待つしか出来ない.

呼吸が当たる……

そうだ、私はこんな風に、ドラマチックに、告白されたかったのだ.
そのために彼の気を引くようなことをして、時にからかい、時に優しくして、ずっとこうなることを望んでいた。

呼吸が止まった。

彼の表情を見ると、いつものような優しさを帯びた目はそこにはなく、鋭い眼光に射られてしまう。
遂に私は言われてしまうのであろう、あの言葉を、契約を望む魔法の言葉を……
その一語一句を聞き逃さないよう,鳴り響く心音を無視して、彼の唇をジッと見つめて、五感で、全てで感じ取るために集中する。

――時が止まったかのように錯覚した。彼の言葉が待ち遠しい。

漸くその口が開き、吐息を感じ、そして――

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ジリリリリリリリリリリリリ!!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

けたたましい音と共に目覚めるのは,容姿端麗,才色兼備な天才美少女,原村和である.
その憎き時計を乱雑に叩き、布団を押しのけ,ベッドに腰掛け,枕を抱きしめ

(……どうしてあそこで終わるのですか!!)

枕をポスポスと叩き始める!
それもそのはず,彼女は須賀京太郎に恋をしており,そんな彼に壁ドン告白される夢を寸止めで終わらされたのだから,怒りを覚えるのは当然のことである。

(…はぁ、夢ぐらいはちゃんと夢を見せてほしいものです)

そう文句を呟きため息一つ,さらに夢と現実の差を再確認してため息一つ,彼女の恋路はまだまだ遠い…

カン!
0792名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 12:43:31.44ID:DVuzyFJW0

やきもきするのどっち好き
0793名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 14:30:15.99ID:24+u4SLB0
「やっぱり胸って大事ですよね」

立直の宣言と同時に捨てられる牌に、心無しか強めの威圧が混じる。
はっきりとは窺えないし、窺う勇気もないけれど、咲さんも優希も染谷先輩も、口には出来ないほどの感情を秘めていそうで。

「永水の巫女さんたちなんて、すごかったわよね」
「迷ってたのを助けただけなのに、えらく懐かれましたしね」

からかうような元部長の声に、だらしのない声が続く。
最初は強く警戒されていたようだが、他意もなく道案内をし、困ったときの為にと連絡先を知らせ、別れたと聞いていて。
夏休みの終盤、須賀君が旅行に行っていたのは無関係だと信じたいですが。

「霞さんも小蒔さんも、自撮りを毎日のように送ってくれるんですよ」
「あら、嬉しいのよね?」
「勿論ですよ。ただ、巫女装束はともかく水着姿や制服姿さえ……その、ドキッとするぐらい色っぽいんですよねぇ」

私の制服姿はどうですか、とは言えない。
打牌の音が、一打ごとに恨めしげに強さを増していく。
私達の方をちらりと眺め、端正な顔を歪めながら、元部長が再び口を開き───


自宅の自室で、制服から部屋着に着替えながら。
私は日毎に増えていく贅肉の塊を撫でて。
須賀君が望むのなら、この胸で誘惑してもいいのかな、なんて、独りごちていた。
0794名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 18:20:19.86ID:/DVG+re00
日毎に増量してるのか…
0795名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 18:33:37.99ID:ITlh+vRM0
腹肉と乳房の両方かもしれないし、太ももかもしれないし、尻かも知れない
和はだらしない肉付きになるたびに……うん
0796名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 18:56:11.63ID:wbFGOH3FO
逆に京太郎を付き合いだした途端露骨に太らせそうな相手……
重力系や甘やかし系、食べ物系か

但しチャンプ、あんたはむしろ京太郎が甘やかして太らせそうでダメだ(まんまそんなエピソードが某所にあるけど)
0797名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 19:03:47.90ID:l+hsChLR0
ノドカのアトリエ 〜太ももの錬金術師〜
0798名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 19:15:03.23ID:ITlh+vRM0
>>796
美穂子、クロチャー、はやりん、まことかはまぁ王道だな
0799名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/02(水) 23:13:14.90ID:ZMZLJsH00
実写ルートで何故か原作の夢を見るのどっち。顔が分からない青年とのやり取り(一緒に麻雀をしたり部活の買い出しをする等)をする夢が何故か心地よく感じ
ナンセンスだと自身に呆れるも、ある日宮永にに頼まれ物を届けに来たと名乗る青年が夢で見た彼と完全に一致して
咲さんが来るまで麻雀をやって見ませんか?と誘うのどっちとかいいよね
0800名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 06:07:33.63ID:Mk9MFDkp0
女三人寄れば姦しいとは言うが。
夏のインハイも終わり、引退した久が受験もあってか顔を出すことも減り。
二年一人、一年三人の美少女たちは、対局することもなく、ゆるりと語らいの時を過ごしていた。

「私もですね、最近太っちゃったみたいで」

どうせのどちゃんのことだから胸だじぇ、いいなぁ、何を言うとるんじゃ。
まるで女子会の様相の麻雀部部室で、ただ一人顔色を伺うことも出来ない男がいた。
一人で携帯端末を弄っては穏やかな笑みを浮かべている少年。

「胸もそうですけど、お腹や太もも、お尻もですよ。ダイエットも考えたんですが、食事制限からがいいのではないかなと」

大凡、年頃の少年の前でするような会話ではない。
だが少年からの反応は無く。
やっかむような声、嘆息の後で、会話していた三人が各々理由を持って部室を去る。
図書館に行く、好物の特売、家業手伝い、それらに口を挟むほど野暮な性格はしていない。
三人が去り、部室の鍵を託された『太った』少女は、部室の鍵を内側から閉めてしまった。
残されたのは、少年と美少女のみ。

「ねぇ須賀君、私も太ったんですよ」

「そう言われても困るんだけどさ」

「もうっ!もうっ!触らせてとか、あるんじゃないですか!?」
 
少女が頬を膨らませてベッドに腰掛ける。
少年がしばらく前、誰だかに電話で語っていた『おもちはサイズが全てじゃない、でも肉付きが良いのは堪らない』旨の言葉を真に受けて、肉を付けたのだ。
制服に皺が付くことも気にせず、ベッドに横たわり。
シャツごと制服を捲り、お腹を触る。
元々胸を始めとして贅肉がちな身体ではあったけど、こうなると限度を弁えないと太っただけになりかねない。

「須賀君」

「あの、和?流石に無防備過ぎないか?」

「須賀君が女の子のお腹に顔を埋めたりしたいって言ってたのは知ってますからね」

「……えと、良いのか?」

「そのために太ったんですよ」

恐る恐る近付いてくる京太郎に、とびきりの微笑を一つプレゼント。
おっかなびっくり腹に頬を当てた少年の髪を撫でながら、和は幸せそうに笑い──

女三人寄れば姦しいとはよく言ったもので。
昨日の今日ですが、ダイエット始めたんですと語らう和。
ふーん、その肉が少し欲しいじぇ、がんばりんさいと各々の答えを聞きながら、和は艷やかな微笑む。
視線の先の少年は、やっぱり表情を伺えなかった。
0801名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 07:09:53.16ID:Mk9MFDkp0
>>800続き

「疲れました………」

ぐでぇ、とベッドに倒れ伏す和の姿を見ながら、京太郎は苦笑を一つ。
飛んだり跳ねたり走ったりとするには、その二つのおもちは大きな邪魔であり、まずは長時間の散歩から始めたダイエット。
だがどうにも痩せている実感は湧かないし、なんなら京太郎と一緒にいる口実にしかなっていない気もする。
京太郎と一緒に談笑しながら散歩、慣れると気安いもの。
それでも一時間、二時間と歩くとなると、そこまでアウトドア派ではない和にはキツく。
自分の部屋に男の子を入れるのは恥ずかしいという乙女心もあってか、散歩の後は専ら京太郎の家で休んでいた。
汗で濡れた服の代わりに京太郎のシャツを借りて、服を洗濯してもらって、乾くまでの時間が語らいの時間。
京太郎のベッドに腰掛けたり、或いは寝転んだりしながら、太ももや脇腹のマッサージをおねだりして。
たまに気が緩んで眠ってしまったら、家まで送ってもらえたり、須賀家に泊めて貰ったり。
須賀家に泊まらせて貰うと家に連絡したときも、最初は揉めに揉めた。
けしからんと呆れる父、そこまで行ったならあと一歩と焚きつける母、一つのベッドで共に眠る幸福な時間。
朝起きたら抱き枕扱いされてたのは、嬉しくもあり、悔しくもあり。

「ほら和、スポドリ」

「ありがとうございます…」

京太郎の匂いに包まれながら、和は飲み慣れた感じも出てきたスポドリを飲んで。
その唇の艶やかさ、嚥下する細い喉、シャツから覗く谷間、惜しげもなく晒される太腿、或いはその全てを目に毒とばかりに顔を背ける姿をからかうほどの余裕は和にはまだなく。 

「須賀くん、膝枕してあげましょうか?」

不器用な男女の進展は、少女の親友が苛立ち説教するまで、爛れたことにはならなかったとか。
0802名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 07:55:46.72ID:oBrcCFlR0
あおはるかよー!
我こういうのすき
0803名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 14:44:04.79ID:yfge8B+s0
妙に積極的なのにもう一歩踏み込めないこの感じいいねいいね
0804名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 18:35:09.07ID:67YU82DL0
>>801続き

ムチムチとした太腿に、重みが心地良い。
金髪を撫で、寝息を立てる唇を指先でなぞり、愛おしさから軽く、本当に本当に軽く、抱き込もうとして。
胸に愛しい顔を埋めてしまいそうになって、断念。

(……もう)
「意地悪なんですから」

たまに電話やメールをしている相手が、どうにも自分と同じぐらい胸がある相手らしい。
喜色満面、好みの相手と差し支えることも無く話しているのを見るに、自分とはまだまだ壁があるのだと錯覚してしまう。
いっそ優希のように開け広げにぶつかれたら、とも思うが、勘違いでしたとなれば立ち直れる自信など皆無。
恋愛経験に関しては頼れる友人もおらず、母には身体を駆使してしまえば蛇のように絡め取ることも容易と唆され、一方で母娘の考えから逸脱し、あくまでも良き友であろうとする青年を好ましく思っている父。
恋人でもない相手を家に連れ込み、部屋に迎え入れ、無防備な寝姿を晒す──はっきりと好意が無ければ出来ないことなのに、恋愛経験の無さがソレを察することを許さない。
いっそ自分がこのベッドで眠り、目覚めたら裸で穢されていたというほうが、まだ踏ん切りもつくのに。責任を取らせる方向でだが。
自分から告白するのは怖いが、告白待ちで時間を食った挙げ句横から掻っ攫われるのも嫌。
悩まし気な溜息は、当分数が減ることも無さそうで───

須賀京太郎は、告白することを恐れている。
万一告白して勘違いだったとしたら、立ち直れる自信がない。
麻雀部を辞めて学校も辞めて旅に出ることさえ考えてしまいそうで。
とはいえ、度胸と意地の張り場ぐらいは察している。
場所は自室、互いにプライベート、隠すものなど何もない。
フラレたら誰かが慰めてくれるといいなと妥協と諦念も多大に含んではいるものの。
髪を撫でる手を掴み、驚く顔に間髪も入れずフルスウィングで告白をぶちかますだけ──

「どうしよう咲、俺和にフラレた」
「ええ……(困惑」

「どうしたらいいの優希、私驚きと困惑で須賀くんをフッちゃった…」
「ええ……(困惑」
0805名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 21:43:06.47ID:oBrcCFlR0
専ブラから書き込めなくなっとるやんけ(クソァ

>>804
おつ
京ちゃんちょっと焦っちゃったかー
のどっちもてんぱってしまったんやろなぁ
0806名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/03(木) 23:08:12.08ID:Kf941hL30
これは、間隙を縫って咲ちゃんタコスがゴールするチャンスあるぅ〜?
0807名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 02:24:49.07ID:25EuY8570
>>804
まるで救いようがない(困惑)
ここまでないとはいえ和はテンパってこういうことしそうなのご笑えるところ
京太郎的にはこれっぽっちも笑えないけどな
0808名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 09:16:33.70ID:LE+Py8ZY0
『のどちゃんはほんっっっとうにヘタレだじぇ』
『うーん、私が言うのもなんだけど…もう少し度胸をつけたほうが良いかなって』

かたや呆れ、かたや苦笑。
通ずるところは和へのダメ出し。
想い人にフラレた少年は、気分転換も兼ねて野外で運動に没頭している。
かつてはハンドボールで躍動していたと聞く少年の姿をぼんやりと眺めながら、不安でモヤつく腹を撫で回して。
こう見えても一生懸命に勉強したのだ。
どうすれば彼に愛されるか、どうすれば彼を愛せるのか。
なお、その弁明を聞いた親友二人の反応は辛辣極まっており。

『あ、そうなんだね』
『勉強してても活かせなきゃ無駄だじぇ』

流石の和も、よーいどんで告白して貰えるとまでは余り思っていなかった。
それでも、急すぎはしないか。
せめて、もう少しゆっくりでも良かったんじゃないか。
睨めつけるような眼差しに変わった親友二人から逃げるように部室を出て。

そうだ、恋愛に強いと噂に聞く友人がいたじゃないか。
彼女ならば打開策も容易に打ち出してくれるはず……!

『無理ね。ゲームオーバーからやり直しが聞くのは小説や漫画、ゲームだけ。ネガティヴなイメージが先行してる状態でやり直しなんて、ハードモードもいいところよ』

ダメ出しされた。念入りに。

『というか、和がフッた相手ってもしかして須賀……きょーたろー?なの?』

知られていた。

『そいつなら、きっとクロに相談してたわよ。同じ趣味の同士だって、喜んでたわ』

更には新たなる強敵が立ち塞がっていた。

『今度松実館で顔を合わせるって言ってたし、互いに好印象みたいだし、会ってすぐに三足飛びで恋人とかもあるかもしれないわね』

──時間の猶予は、もうない。
0809名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 10:01:47.81ID:QX/qyG7J0
こんなん京太郎が松実館行ったが最後
速攻で婿入り不可避やんけ……
0810名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 13:07:17.21ID:+EN4j0ra0
ポンコツ和は書いてて楽しい(粉みかん

須賀京太郎が原村和にフラレて、数日。
縮まったはずの距離は遠ざかり、気まずさから顔を合わせてもすぐに距離を取るようにさえなって。
そこへ飛び込んできた、京太郎の恋愛に関わる報せ。
元はインターネットで知り合い、互いの趣味の一致から数日で心を通わせ、互いに夏の大会の現場にいたことから出会いを果たした男女。
須賀京太郎が好むおもちに関して、原村和は自身のソレが並ならぬサイズであることを理解している。
だが、だが──

「趣味の一致!母性あり!包容力あり!家事も適性あり!勝ち目なんてないじゃないですか!」
「表に出るじぇ」
「ちょっとカンしなきゃいけないかな?」
「真剣なんですよォ!」

真剣だというなら、迫って告白すればいいじゃないか。
咲と優希の顔は如実にそう言い表していた。
夜討ち朝駆け、不意打ちもある。
後は既成事実を一回作ればハッピーエンド。
なのに、やたらチキっては嘆いてを繰り返していて。

「京ちゃんが前に言ってたけど、やっぱり麻雀部で一番度胸ないのって和ちゃんだよね」

突き刺さるものがあったらしい。
エトペンに顔を埋めて鼻を啜る音がしてきて、咲と優希は嘆息をついた。
0811名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 16:06:33.51ID:QX/qyG7J0
清澄1年トリオの動かし方がきちんとしている人は作品のクオリティ高いわね
しかし何故告白されて振った側が追い詰められているのか
0812名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 17:47:01.93ID:znrbhC8U0
和ってデジタルスタイルの打ち方もそうだけど、ある程度理詰めで進められるなら強い反面、理詰めでどうにもならないとか土壇場でアドリブとか絡むと一気に弱くなる印象
0813名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 17:53:11.32ID:xEOWafCo0
普通にやったらのどっち即勝利になるはずなんだよな
0814名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 18:00:21.80ID:lDSmlwCP0
初々しいすれ違いを経た順当勝利も見てみたいし
覆水盆に返らずで曇る和もそれはそれで見てみたい
0815名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 18:51:26.71ID:bOep4UOs0
曇らせるのは楽しいが、たまにはのどっち大勝利も書いてあげたい(願望

放課後の麻雀部部室。
秋も深くなったとはいえ、残暑はまだまだ厳しく。
気の早い夕暮れに照らされながら、須賀京太郎は着替えていた。
夏の栄冠を手にした後は、各々趣味や生活と部活を並行するようになって。

「───須賀くん」

ぽつりと聞こえた声色に、硬直する身体。
扉が閉まる音がして、鍵が閉まる音がして。
フラレた相手と今更どのツラを晒して会えばいいのか、何を言えばいいのか。
口が乾く。
精一杯の根性を振るって振り向こうとして─

「ごめんなさい、須賀くん」

愛らしかった目が、兎のように真っ赤に染まっていた。
落ち着いた口調ばかりが印象に残っていた娘の、震えるような声。
弱々しい──なんて弱々しい。

「あ、和……」
「私、須賀くんに告白されて、本当はすごく嬉しかったんです──本当に、本当に…」

でも、と。

「急に言われて、混乱してしまって。落ち着いて考える余裕もなくて、あんな酷いことを」
「あ、うん。あれは俺の告白の仕方も悪かったよ」

おずおずと歩み寄ろうとする美少女を抱き寄せてやると、感極まってか泣き出して。
それに口を出すほど無粋なつもりはなく。
少し乱れた桃髪を撫でながら、涙がシャツを濡らしていく感覚をじっと味わっていた。

『あの、和?』
『……はい』
『俺と、付き合ってくれないかな』
『はい……喜んで。お願いします、頑張って須賀くんの好みの女の子になりますから、いっぱい可愛がってくださいね…?』

部室の外で聞き耳を立てる二人の少女の心境は如何ばかりのものか。
邪魔をするのも野暮とばかりに立ち去る姿は、堂々としていた。
0816名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 19:57:06.07ID:8/CvNe4a0
やっぱ和とタコスではヒロイン力がキンクリとセックス・ピストルズ並の差があるわ
尚書き手によっては咲さんがレクイエム化する模様
0817名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 20:43:08.23ID:6+FojQJW0
>>810
和ちゃんと玄ちゃんで衣装力・料理力・麻雀力の三本勝負で決着したらどう?
0818名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:25:24.34ID:dE3+xxb50
「あうぅ……疲れましたぁ……」

 原村和は疲弊していた。
 新学期が始まって1か月半。高校ではそろそろ中間試験を目前に控えていた。
 元々優等生の和に赤点や落第といった類の心配はない。試験というのはむしろ、どれだけ高得点を狙えるのかの場になっている。
 しかし今回は事情が違った。

 2カ月前のインターハイでは無事優勝し、東京への転校は取りやめになった。
 が、あの父はどうしても自分を長野の田舎に閉じ込めておきたくないようで、インハイで優勝するや否や『成績がよくなければすぐに転校させる』と戦略を変えて来た。
 『よくなければ』というのが実に巧みで、『下がれば』の様に成績をキープしていればいいのではなく、極論1位以外をとれば『よくない』と評価を下すことも可能なのだ。

 原村和は秀才だ。
 が、いざ1位をとらねばと意識してしまうと、中々に厳しい現実が待ち構えていた。
 総合1位ならまだ達成は出来る。が、全教科で1位を取りつつとなると、一部科目では自分を上回る生徒がちらほらいるのもたしかだ。
 例えば現国・古文に限れば、親友の宮永咲には目を見張るものがある。
 テスト問題の相性にもよるだろうが、最低でも95点は取らないと到底勝てる相手ではない。

 そんな風に各科目に特化した人間達と、全ての科目で渡り合い勝利するのは厳しいものがあった。
 一応総合でトップに入ることは可能だろうが、あの父のことだ、『意外に一番が取れていないものだな』と重箱の隅を突くくらいはしてくる。少なくともメイン5教科では1位を取らないと反論材料を与えてしまうことだろう。

 万全を期すために試験勉強を重ねる中、和はすっかり疲弊してしまったのだった。 
 体中が特に何もしていなくても大いに運動をした後の様に疲れている。頭痛が止まない。
 疲労困憊という言葉がぴったりだった。
0819名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:26:20.84ID:dE3+xxb50
「お疲れ様です………」
 部活が休みで、放課後の勉強場として開放された部活に赴く。
 するとそこには意外にも、一人しかいなかった。

「おう和、お疲れ」
「あれ、今日は一人なんですか?」

 同級生で、麻雀部唯一の男子生徒である須賀京太郎のみが、試験勉強をしていた。
 いつもは大抵一緒に居る宮永咲の姿も見えない。

「おう、咲は好きな作者の初回サイン本買いに行って、優希はそれについてって逃げたぞ。

 部長は推薦入試関連で説明会があって、染谷先輩は実家のお手伝い」

「そうでしたか……ふぅ………」

 和は溜め息をつきながら同じ席に座り、自分も試験勉強に取り掛かる。
 
「なぁ、和ってこの後数A勉強する?」
「? はい、図形問題はやろうと思っていますけど」
「あー、ついでに確率も教えてくんね? デジタル打ちとして確率計算はお手の物だろ? 時間が余りそうならでいいから」
「構いませんよ。確率なんて結局は全部場合分けの仕方ですしね」
「サンキュ、助かる」

 本当は咲のいない間に国語の授業ノートでも見直そうと思っていたのだが、ここで断れないのが損な気質だと感じつつ、京太郎の勉強を見る約束をする。

 しばらくはそれぞれが別の科目を勉強し、時たま何でもない話題で言葉を交わす。

「須賀君はテスト上手くいきそうですか?」
「んー、そりゃ赤点とかは取らないだろうけど、平均点よりちょっと高いくらいで終わりそうだな。面白みのない結果と言うか」
「お父様やお母様は何もおっしゃらないんですか?」
「まぁ二人ともそんなにうるさくはないから。やることやっていれば文句は言ってこないよ」
「うら、けほん、けほん、そうですか」

 「羨ましいです」と、反射的に口から出そうになったのを止め、咳をしてごまかす。

「和の方はどうだ?」
「うちですか? うちは……まぁ、父が色々とプレッシャーをかけてきますね」
「ああ、あのお父さん……」

 インハイが終わり、長野に帰ってきた時、駅まで迎えに来ていた父親を思い出して、京太郎が遠い目つきになる。
 和の分の荷物を手渡し、和のことを名前で呼んでいただけで、露骨に不愉快だといった表情を浮かべられた。
 ニコニコと気分よくしていたのも、むしろ見た目と合わさって軽率そうな印象を持たれたのだろう。

「まさかまた学年1位とれなかったら転校だー、とか言われてんのか?」
「………………」
「え、マジ?」

 急に黙りこくった和を見て、京太郎が絶句する。
0820名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:27:06.34ID:dE3+xxb50
「うっそだろ……」
「多分……本気です……。言ったことは都合よく忘れてくれない人ですから……」

 和が頭を抱えてうずくまる。
 その姿は心身ともに疲労が見て取れた。

「あ……じゃあ、やっぱりさっきの数Aやっぱりいいよ。勉強時間奪うのも申し訳ないし……」
「いえ、それはそれで復習にもなりますから、別に……」

 頭を上げてそう言いかけた時、和の身体ががくんと沈んだ。

「おい、大丈夫か?」
「あ………ちょ、ちょっと、まずいかも……」
「和、一旦休もう。な? 少し寝ろ」
「は、はい……」

 京太郎は和の肩を支えて、部室に置かれたベッドまで付き添う。
 そして和が横になると、上から掛け布団をかけてやる。

「あうぅ………」

 和が呻き声を上げる。
 こうして横になっても、身体が疲れ切っていて自然と呻き声が漏れてしまう。
 さらに頭の中で血が偏った方の頭痛がひどくなる。

「ううぅ………」

 ドクドクとこんな時に限って心臓がやかましく脈打ち、それに合わせて頭痛も激しさを増す。
 
「うあぁ………」

 辛い。心身ともに摩耗しきった和は、呻き続けるしかできなかった。


 トン、トン

「………………?」

 トン、トン

 何かの拍子を感じた。

 トン、トン

「…………?」

 目を開けると、自分の肩に手を置いた京太郎が、指先で自分の身体を叩いてリズムをとっていた。

「須賀君……?」
「ああ、悪い。要らないならやめるけど」
「だいじょうぶ……です」

 京太郎はそれを「いらない」という意味の大丈夫か、「気にならないから続けろ」という大丈夫なのか一瞬判断に迷った。
 困り顔から和はそれを判断し、

「そのまま、やってください…………」
「ああ」
 拍子をとり続けるようにたのんだ。
0821名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:27:40.26ID:dE3+xxb50
 トン、トン

「……………」

 目を閉じる。
 拍子は止まない。

 トン、トン

 手の温かさを感じる。
 硬いごつごつした手だが、不思議と不愉快には感じない。

 トン、トン

 痛みに妨害されていた意識が、寝て休もうという気になってくる。
 
 トン、トン

 ドクドクとやかましかった心臓が、拍子につられてゆっくりとした鼓動になっていく。

 トン、トン

 トン、トン

 トン、トン

 もっとその手の温かさが欲しくなり、京太郎の空いていた左手を取り両手でつかみ、口元に寄せる。
 京太郎は面食らったようだが、すぐにまた拍子を再開してくれる。

 トン、トン

 トン、トン

「和、寝たままでいいぞ」
「…………」
「和は、頑張り過ぎだ。もっと、子供らしく楽したり、自分を優先していいんだぞ」
「…………」
「俺みたいな平凡な奴からしたら、和は今のままで十分すぎるくらいすごいよ。そこからもっと頑張ろうとするのは凄いって思うけど、これは頑張り過ぎだ」
「…………」
「もっと、力を抜こうぜ。こうやって誰かに甘えたりしても、まだ俺たち15歳だぜ? それが当たり前なんだから。大人の期待に、こんなにまで応える必要はないって」
「…………」
「だから、今はもう全部忘れちゃえ。今は誰も、和に何も頑張れなんて言わないから。ゆっくり、ぐっすり休もう」

 トン、トン

「………………」

 京太郎の言葉に和は何も答えず。瞼を閉じていた。
 ただ、少しだけ。

 一瞬だけ泣きそうな顔になった後、 両手でつかんだ京太郎の手を少しだけ強く握った。
0822名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:28:21.31ID:dE3+xxb50
 その後、原村和に少しだけ変化が現れた。
 周りの人間からの期待を、いい意味で少しだけ裏切るようになった。
 秀才と呼べるだけの地頭を持ち、研鑽を重ねながらも、無理と呼べるようなことは滅多にしなくなった。
 疲れている時には無理をせず休むし、自分一人では難しそうなことなら周りの人間を頼るようになった。
 それでも、やっぱり頑張らなければならない時期は、人一倍頑張って。

「ふぅ……ありがとうございました」
「おう、こっちも丁度終わったぜ」

 半荘が終了し、伸びをした和はベッドの前まで移動し、そのまま横たわる。
 するとそれが当然だと言わんばかりにスムーズな動作で、上から布団をかけられる。

「また京ちゃん?」
「仕方ないだろ、俺が一番卓に入る機会少ないんだから」
「そうです。須賀君の回数が多くなるのは自明の理です。別に他意はありません」

 頑張った後は、ある男性に寝付くまで一緒に居てもらうのが、人生で常になった。
0823名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:29:21.26ID:dE3+xxb50
日が変わる前に和誕生日関係ない内容だけどss

悪者にしてしまった恵さん許しとくれ

のどたんイェイ~
0824名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/04(金) 23:56:28.75ID:fJkJlfXq0

誕生日祝いのSSすばら
0825名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 02:35:32.15ID:WFo+/Ycr0


逆に考えて、今まで異性の話をしなかったのに急に「スガクン」とやらの話題を出してきたり
親しい学友だった「ユーキ」は「友達」って言ってたのに「友人」と分けて特別視するような存在が出てきて
嫁さんは娘を応援するだろうから恵ちゃんはあせると思うんだ
0826名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 07:17:24.51ID:fl4TPG7q0
妻が妻、娘も娘だから、京太郎と男二人で話し合い、翌々日ぐらいには娘より先に京太郎と肩くんで趣味の話や好みの話で盛り上がれそう
0827名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 10:04:29.98ID:Jw9rxcQf0
咲「……」トン

優希「……」トン

まこ「……」トン

和「……」トン

久「HINOの」

京太郎「2トン」

久京『あはははは』

まこ「真面目にやらんか」

カン
0828名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 14:34:54.64ID:/5l1cMNc0
>>827
すき
0829名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 19:29:10.54ID:ChDO0QnF0
花というものは見かけによらずしたたかである。
道端に咲いているタンポポはアスファルトを突き破っており、青い花弁を並べている藤は頑丈なツタを這わし、こうべを垂らして佇んでいるスズランは恐ろしい毒を含んでいる。
その見かけはいずれも美しく、どこか庇護欲をそそられるようであり、放っておけない。
実を残すことなく萎れそうな花を見ると、たとえ愛着が無くとも、どこか寂しげに感じてしまう。

最初はそんな出来心からだった。

『えーと…宮永さんだっけ?』

『え、えぇっと…なんですか?』

片隅で本を読んでいる少女、友達と話している様子もなく、黙々と本を読んでいる。
ただただ本を読んでいるだけだった。勉強しているわけでもなく、本の内容を誰かと共有するわけでもなく、ずっと孤独に本を読んでいた。
それでも寂しいなどと思っている節はなく、そんな彼女がとても不思議な存在だと感じた。自分とは真逆だったからだ。
そんな不思議な彼女は、愛想が悪いわけでもないのにずっと一人で、それを許容しているようで……だからこそ

彼女は一生独りになるのではと思ってしまった。

そんな傲慢な憐憫からだろうか、彼女によく声をかけるようになった。
大半が無視されていたが、徐々に鬱陶しく扱われ、しまいには声をかけあう仲になった。

そして高校生になり、相も変わらず一人な彼女を見て、やはり放っておけなくなった。
お節介を焼いて、無理矢理麻雀部に勧誘し、色々とごたごたがあって、麻雀を通じて友達が増えた彼女を見て安心した。
誰にも知られず萎れそうになっていた花が、華やかな花壇に移し替えられ、息を吹き返し燦々と輝いている。

これでもう彼女は独りじゃない。

そう思っていたのだろうか、彼女と話す時間は少しずつ減っていった。
彼女が友達と一緒にいる時間が増えていったのも原因ではあるが、そういう身勝手な安堵感が主な原因であろう。
そう、身勝手だったのだ。

『京ちゃん』

『一緒に帰ろ?』

『えへへ…遊びに来ちゃった』

彼女から声をかけることが多くなった。
飯を食べていると隣に座ってきて、麻雀の本を読んでいると後ろから声をかけ、休日には突然家に来る。
そう、かつて自分が彼女にやっていたかのように……家には押しかけたことはないが。
0830名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 19:29:35.91ID:ChDO0QnF0
『今度の日曜ひま?』

『私も何か作ってほしいな』

『今日も京ちゃん家行くね』

そしてそれは、急激に、急速にエスカレートしていった。
あたかも恋人同士かのように、毎日、一緒に居るようになった。
今思えば、この時に何らかのアクションを起こすべきだった、受け入れるにしろ、拒絶するにしろ。

そう……今は

「京ちゃん、大好き」

「私は…京ちゃんとずっと一緒にいたいし」

「京ちゃんと離れるのは……嫌」

彼女に――咲に押し倒されている。
か細い腕に肩を掴まれ、上に乗っかられている。
すぐにでも振り払えるはずなのに、体が全く動かない。

「ねぇ、京ちゃん」

「京ちゃんがもし……受け入れてくれるんだったら、そのまま動かないで」

余計に動けなくなった。
いつの間にか心は雁字搦めに縛りつくされ、体はすでに侵されていたのだろう。

もし、ここで動いてしまったら……ほぼ間違いなく、彼女は孤独になる。
だからこそ動ける訳がない、お互いに望んでいない結末だとは分かり切っている。
彼女はそれを分かっている。絶対に動けないという確信を持っている。

「じっとしてて…」

顔が近づく。瞳には暗い炎が揺らめいている。勝ちを確信したような仄かな笑みを浮かべている。
あの唇が触れた時、それが最期であろう。一瞬で毒が回ってしまうのだろう。

なぜだか、更に動けなくなった気がした。

「京ちゃん…」

彼女が呟く

「ずっと一緒だよ」

その言葉と共に、そっと唇が触れた。

カン!
0831名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 19:31:51.74ID:ChDO0QnF0
最近,京咲が不足してたので書きました.京咲の書きやすさは異常
0832名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 20:18:39.32ID:fL2S5ZJl0
超好き超好き求めてた
0833名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/05(土) 20:59:29.02ID:kS0B8drk0
えぇのぉ…えぇのぉ…
癒されるわ
0834名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 00:42:03.75ID:dGKpaG5U0
咲ちゃんはトコロテンなのに
なぜ京咲は尊いのか
やはり、男は幼なじみという存在に強い憧れがある
0835名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 00:55:05.43ID:xHae52xc0
白望「親戚なので京は幼馴染み……」
エイスリン「ジツハオジイチャンガイッショデキョウタロウハオサナナジミ!」
照「妹ぐるみの友達なので京ちゃんは幼馴染みです」
淡「キョータローとはお父さんが一緒で幼馴染みだったんだ!」
明華「昔京太郎くんがフランスにいた頃良く一緒に遊んだ幼馴染みです」
玄「京太郎君は良く松実館に遊びに来て色々語り合った幼馴染みですのだ」
小蒔「須賀家と神代家で古い歴史を持つ者同士で京太郎様とは良く遊びました幼馴染みです」

咲さん「全員、ゴッ倒す」
0836名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 01:46:42.63ID:iWiI2Ceo0
淡との関係がヤバい(両親が)
0837名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 08:40:02.43ID:mU4il0bo0
「京くん」

「京太郎くん」

「京太郎様」

「旦那様」

───あぁ、どうしたことか。
親の帰郷に付き従って九州に行く度、幼馴染からの呼ばれ方に感情が籠もるようになっていて。
それでも、自分が斯様な大和撫子に慕われているということを理解出来てからは、自信をしっかと得られる所以となり。

「旦那様、会いたかったです!」

夏のインハイ。
部活の仲間といるところに斬り込んで来たのは、年々…否、日々美貌とおもちに磨きをかけているような、巫女装束の『幼馴染』。
飛び込んできた影を受け止めると、柔らかさがダイレクトに感じられる程のおもち感。
犬のように顔を押し付けてくる美少女にニヤけていると、その美少女を追ってきた四人も恭しく頭を垂れて。

殺気を増す一年生の三人、呆れる二年生、興味深いと笑む三年生。
あぁ、と気が付いたように声を掛けて。

「多分みんなも知ってると思うけど──俺の幼馴染で、一応親同士が決めた許嫁の小蒔と、妾の四人だ」

あ、と聞こえたのは、誰の声か。
殺気が、震えるような殺意になった事に、京太郎は幸運にも気付かず。

「京ちゃん……幼馴染って、何人いるの…」

地の底から響くようなおどろおどろしい声。

「えーっと……十人ちょっとかな」

真の幼馴染の立場を巡る争いが、始まる──
0838名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 11:17:50.63ID:HY0ONl5j0
>>837
ファーストセカンドってレベルじゃねぇな京太郎の幼馴染達…
0839名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 13:07:03.26ID:iWiI2Ceo0
>>837
(妾は)120(人)くらい(居るん)じゃないすか?
0840名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 15:07:58.57ID:apNx6yDCO
最新話で豊音が巫女衣装披露してたけど
これは宮守も京太郎を一緒に永水するフラグが立ったということでよろしいな

玄「片岡さんのようなやり方では京太郎くんを幸せにすることはできないのです。
妻の役目は夫を支えて癒しになってあげることなのです。だから京太郎くんは松実させていただくですのだ」
優希「それは違うじぇ。あいつのやりたいことを思うようにやらせてやることも大切なんだじょ。
あいつはあくまで清澄のものだじぇ」




菫「誰だそいつは」
照「お土産で私のプロ入り後のマネージャー兼パートナー」
0841名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/06(日) 21:40:40.06ID:iWiI2Ceo0
宮守が永水するとかもうこれわかんねぇな
0842名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/07(月) 03:50:42.09ID:03UoAB+U0
>>841
略したら宮永だ
0843名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/07(月) 10:43:01.16ID:o/dn5yH50
>>842
だから>>840は照がかっ拐っていたのか
0844名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/07(月) 11:46:28.00ID:cW50orKc0
永水するという動詞
0845名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/07(月) 17:32:11.96ID:huXZKs+P0
最初に出会ったときは、軽薄そうだと感じ。
二度目の出会いで、真摯さを知って。
三度目の出会いで愛しさを感じて。
連絡先を交換しあい、仲間には弱さを見せまいと強がる姿を知って、寄る辺も失いかねないその影を───愛おしいと、愛でたいと、そう願ってしまっていて。

「大丈夫よ、京太郎君。私はここにいるわ、『他の誰が貴方を切り捨てても』私は貴方を受け止め、受け入れ、愛してあげる」

清澄の栄冠は、即ち彼への侮蔑の始まりに他ならなかった。
見目麗しく、才覚に満ちた少女たちにへばり付くだけの情けない男。
人前では愛想笑いでごまかせていても、傷は積み重なり、疲弊させ、脆くさせ──
仲間たちに隠れて、その砕けた心の破片を拾い集めて。
甘露の如き呪いを囁き、憎々しいほどに膨らんだ乳房で涙を受け止め、大きくも小さな背中を抱き締めて。

「泣いてもいいのよ……。辛いとき、苦しいときは、泣いてもいいの……。『私だけ』は全部受け止めてあげる……この胸も、お尻も、お腹も、何もかも…私の全てで、貴方を受け入れてあげるわ──」

それは、まさに媚薬。
鹿児島は霧島の神域に、京太郎は還り。
元々の面倒見の良さから、仲間や父親たちからも程なくして信頼を勝ち取り。
正妻の座こそ主たる姫君に譲り渡したものの、第二夫人として──そして彼が唯一弱みを曝け出せる女として、確固たる地位を得て。
0846名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/07(月) 19:47:49.89ID:Q0btGPCx0

これが「永水する」だ!
と言わんばかりのテンプレ的永水ですね
0847名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/07(月) 19:57:25.15ID:zQS+EnFt0

せっかく神道絡みの名字持ちなんだから
京太郎くんはもっと永水と関わるべきだと思います
0848名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/08(火) 07:14:14.40ID:P36G7xqk0
須賀京太郎が神代京太郎となり、一人の美人妻と四人の愛妾を与えられ。
何もせずとも全てを与えられる、蜂蜜のような日々の最中にあって。
それでも京太郎は、甘露に屈することもなく、愛妻と愛妾のために働いていた。
軽口を叩き、気を使い、それでも動くことが好きだというのと、ただただ与えられるだけなのは嫌だという僅かな意地と矜持。
それを知った神代の御大や石戸の父親は尚の事に彼を気に入った。
──霞と小蒔以外に、彼を支えるものを知る人は、いない。

「お疲れ様、旦那様」

自身の太腿を枕にし、寝息を立てる青年への慈愛を以て微笑む霞。
彼の弱さを受け止めるたび、受け入れるたび、それでも頑張る『旦那様』『御主人様』への依存心が強くなっていく。
この人が、私に存在意義を与えてくれる──
髪を撫でながら、頬を撫でながら、かつて狂おしい程の嫉妬に身を焦がした日々を思い出して──

『京太郎様を支えているのは、私──』
『なのに、何故姫様が正妻に──』
『京太郎様の全てを受け止めているのは、私なのに──』

灼けつくような嫉妬、わがままを言って困らせた自分を受け止め、愛でてくれたのも、旦那様なのだ。
共依存の日々は、未だ終わっていない。

京太郎から、清澄高校での日々の記憶が失われつつあった。
きらびやかで、幸せそうに見えて、その実何一つ与えられはしなかった日々。
幼馴染の声も、小さな切込み隊長の声も、かつて恋した少女たちの声も、もう聞こえない──
0849名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/08(火) 13:33:04.23ID:bfwnmJ4B0
良き哉
0850名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/08(火) 18:46:46.09ID:h0mrbWZ6O
十数年後、インターミドルの九州地区で予選通過を果たした新星が目立つ金髪をしていて
それが1年限りではなく毎年のように現れて

世界ランカーとして活躍をしていた魔王の目には様々な感情を灯した紅蓮の炎が宿り……

次回「霧島炎上」
0851名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/08(火) 19:23:21.15ID:DNtkkSe90
やるならやらねば。
0852名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/08(火) 23:42:40.30ID:iwpIK/U70
「どうして──どうして──」

背筋と、豊満なおもちを震わせながら。
冬休みの間、泊まり込みで雇ってくれている旅館の娘が、夜這いを仕掛けてきたのかと思っていたけれど。

「どうして…京太郎君は、私のお風呂も…お姉ちゃんのお風呂も…覗かないの…?」
「俺には同志──玄さんが何を言ってるのか分からないんですが」

紅に染まった頬は、湯上がりだから…というわけだけではないのは、理解出来る。
それでも、流石に『入浴してるのを覗いて欲しかった』というのは斜め上過ぎた。

「やっぱり、私やお姉ちゃんのおもちだと……物足りないのです…?」
「いや、むしろ大好物です……はっ!」

涙目の玄さんの震え声に否やと応えると、ダイブしてくる小さな影。
とはいえ、この程度は慣れている。
受け止めると、そのまま胸に顔を押し付けられる。
下腹部に当たるおもちの感触が心地良く、しかし危うい。

「本当に、本当に、京太郎君の大好物なの?」
「大好物ですとも!……ただ、俺は清澄の学生で…玄さんとは、冬休みが終わったらまた別れないといけないでしょう?」
「……寂しいのです」

俺だって、と言いたくなるのを、必死になって噛みしめる。
互いに寂しさを紛らわす為の愛なら、そんなに虚しいものはないから。

「また、春休みにも来ますよ」
「毎日連絡してもいいかな?」
「それで玄さんの寂しさが紛れるなら、喜んで」
「浮気はしちゃ嫌なのです…」
「しませんって」

浮気するような相手もいない。
というか、これは傷心旅行もどきの果てに泊まり込みで働かせて貰っているのだ。
どういってもグスグスと鼻声を止めない美少女を抱き締めながら、湧き上がる感情の名前を理解出来ずに。

「ねぇ、京太郎君……?」
「はい?」
「今ね、お姉ちゃんがお風呂に入ってるの」

それは知っているが。

「私ももう一回入るから、三人で一緒にお風呂に入りたいのです」

──それは、まさに悪魔の囁き。
だが、鼻声でねだる美少女の願いを踏み躙る勇気は俺には無くて──
0853名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 02:36:50.26ID:wv6C3qWw0
あま…おもーーーーい!
生クリームとカスタードクリームの2層仕立てにメレンゲ+したモンブランぐらいに重い甘さ
0854名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 06:22:33.84ID:s8PFL5We0
>>852は恋人になったわけではない
あくまでおもちが好みだと言っただけだ…
0855名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 07:46:14.73ID:EtcOwH7u0
>>854
つまり…プロポーズ!
0856名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 10:04:13.71ID:1uxO/tYl0
おもちつき(意味深)
0857名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 10:08:53.92ID:LLZZ3UvT0
よぉ、おもち付き
0858名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 11:00:20.70ID:003Mm3mQ0
wiki2スレ分更新しました
また気が向いたら更新します....

後もう少しでwiki内ページ数が10000になりますw
0859名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 11:18:30.42ID:AeK6oWMq0
ジョーカー観て思ったんですが、こと麻雀に関しては、京ちゃんもああなってしまう素養ありそうですね
0860名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 11:19:04.01ID:AeK6oWMq0
>>858
乙です
0861名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 11:33:05.65ID:Hckkw0rN0
>>858
いつもありがとうございます
0862名無しさん@お腹いっぱい。2019/10/09(水) 14:00:17.26ID:evDODEKg0
>>858
おつです
小ネタばっかり書いて更新量増やして申し訳ない…
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