パネル職人の朝は早い。計算中の収録日は5時に起床してパネルに磨きをかける。
「このパネルは私の顔そのものです。美しい状態で見ていただきたいですから」
喜怒哀楽すべての感情をこのパネルで表現する。位置や角度をミリ単位で調整するので収録中は一瞬たりとも気が抜けない。
現在、最大の悩みは後継者不足だという。先日も仲間の一人が廃業したところだ。
「いずれは私一人になるかもしれません。でも番組が続く限りパネルを辞める気はありません」
そう語るパネル職人はピースサインで微笑んでいた。